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憑依してGO! その8(完)




ブルルルゥ…

夜道で一台のタクシーが止まった。

「釣りはいらないよ」

そう言って健二は運転手に千円札を二枚手渡して降りた。
それに続き俺も降りる。
アルコールが入ってるのと、履き慣れないブーツのせいで、少しフラッとした。
ドアが閉まり、タクシーは再び夜の街へと消え去った。


あの後、俺は首尾良く健二に“お持ち帰り”された。
元々同級生なので話を合わせるのは朝飯前だった。
二人で居酒屋を出る時、後ろを振り返ると、他のメンバーたちは目を丸くして開いた口がふさがらない様子だった。
まさか一番清楚でお嬢様な沙織ちゃんが自ら“お持ち帰り”されるとは夢にも思っていなかっただろう。


タクシーを降り、顔を上げると、そこには灰色のコンクリートの建物があった。
正面はシャッターで閉ざされており、屋根は高く、1.5階建てと言ったほうが正確だろう。
懐かしいなぁ。
高校時代はよく遊びに来てたもんだ。

健二の両親はこの家で塗装業をやっていた。
そのため壁に塗料の跡が残っていたり、周りにドラム缶が積んであったりする。
しかし、長引く不況で健二が高校を卒業すると同時に廃業し、田舎に戻った。
一方、健二は一旗あげると言って街を出て行った。

ということは、今住んでるのは健二だけか。
健二がなぜこの街に戻ってきたかはわからない。
ただ、故郷に錦を飾るような凱旋には思えなかった。


健二はカバンからジャラジャラと鍵の束を取り出すと、シャッター横の裏口の扉を開けた。

「どうぞ」

「おじゃまします」

俺はさも初めてのようにキョロキョロ辺りをうかがいながら中に入った。

健二は靴をポンポンと脱ぎ捨て中に入っていく。
俺も同じようにしたかったが、ブーツなので無理だ。
こういう時、女って不便だな。

俺は玄関に座り、ブーツのチャックを開き、黒く重いブーツから足を引き抜いた。
すると、むわっと蒸れた臭いがした。
お世辞にもそれはいい臭いとは言えなかった。
沙織ちゃんからこんな臭いがするなんてちょっと幻滅だな…
だが、沙織ちゃんしか味わえない味を吸ってると思うとちょっとうれしかった。


真っ暗な家の中を次々に電気を点けながら進んでいく健二の背中を追う。
歩くたびに床がミシミシと音を立てる。
床と黒タイツが直接こすれて心地良い。

廊下の先には居間があり、台所にはビール缶が逆さにして立てかけられていた。
たしかこの隣が健二の部屋だったはず…
記憶を辿っていると、ちょうど健二がそのドアを開けた。

そのまま中に入ると思いきや、健二はドアを開けたまま止まり、俺のほうを見ている。
くりっとした大きな目とにやけた口元がいたずらっ子のようで憎めなかった。
レディーファーストってことか。
たしかに健二って昔からかわいい女の子に弱いお調子者だったからなぁ。
俺は両手を股の前で合わせ、軽く頭を下げ、しおらしく中に入った。



中は8畳ほどの広さに、入って正面に白いシーツのベッドがあり、その奥の窓には青いカーテン。
入ってすぐ右には洋服掛けと鏡があり、壁にはギターやスケボーが掛けられていた。
ベッドの横には小さなテーブルがあり、ノートパソコンとテレビ、それに携帯の充電器や小物がジャラジャラと置かれていた。
床にはスポーツ新聞やフリーペーパーが散乱とまではいかないが、かなり乱雑に積まれていた。

「汚い部屋でごめんね」

「いえ、私男の人の部屋初めてで…」

なんて言ってみる。
初めてどころか、男の人の部屋に“住んで”るんだけどな。
俺は健二の顔がほころぶのを見逃さなかった。
ルミの体で言っても信憑性は低かっただろうが、女子校育ちの沙織ちゃんの体なら説得力あるだろう。


「じゃあ俺、シャワー浴びてくるから。自分の部屋だと思ってくつろいでて」

「ええ」

そう言って健二は部屋から出て行った。
健二の足音が遠ざかるのを確認すると、俺はその場にドスンと尻餅を付いた。
鏡には後ろに手をつき、股を大きく広げた、とてもお嬢様らしくない沙織ちゃんが映っている。

俺は髪をガリガリかきながら、もう一度部屋全体を見渡した。
ほんとに変わってないなぁ。
壁に掛かっているギターとスケボーも昔のまんまだし、変わったところといえば、テレビが薄くなってノートパソコンが増えたぐらいか。
ジーッと電球の音だけがかすかに響いている。

そういえば…
俺はベッドの下に手を突っ込んだ。
あった!!
そこには靴の空き箱に入った健二の秘蔵コレクションがあった。
へへっ、エロ本の隠し場所まで変わってなかったんだな。

俺はそれらを手に取り、パラパラとめくってみた。
半分以上が洋モノだった。
赤い口紅のブロンドの女が、ガーターベルト一枚でセクシーなポーズを取っている。

読み進めているうちに、女が鏡の前で手を突き、バックから男が攻めてる写真が多いことに気づいた。
なるほど、健二ってこういう体位が好きなのかぁ。
ふと、鏡を見てみる。
そこにはエロ本を広げている沙織ちゃんが映っていた。
よ~し、健二の願望をかなえてやるか。


と、遠くから足音が聞こえた。
やべっ!
俺は慌ててエロ本を直してをベッドの下に押し込んだ。
入れ違いで健二が入ってきた。

「おまたせ」

「えっ、ええ」

俺は笑ってごまかした。

健二は白いバスタオルを腰に巻き、手に持ったもう一枚のバスタオルでくしゃくしゃと頭をふいていた。
服を着てる時は気づかなかったが、意外に健二って胸板あるんだなぁ。
水も滴るいい男…というわけではないが、一瞬ドキッとした。

別に俺は元々男好きってわけじゃない。
男の時は俺も女のやわらかい肌が恋しくなる。
だが、今は俺がそのやわらかい肌の持ち主であり、そうすると男の大きくて固い肌が恋しくなるのだ。

前に一度納豆嫌いの女に乗り移ったことがある。
俺自身は納豆は嫌いじゃなく、むしろ好きなほうなのだが、その女の体で納豆を見たら「うっ」と来た。
つまり、俺自身の感情より体の生理的欲求や拒絶反応が勝ることがあるのだ。



「じゃあ、始めようか」

そう言って健二は俺をやさしくベッドに押し倒した。

「きゃっ!?」

目の前に健二が迫る。
健二の体がいつもより大きく見えた。
それに比べたら俺の細い腕では絶対に勝てないと思った。
今ならまな板の上の鯉の気持ちがわかる気がする…

「あっ」

健二は俺のカーディガンを脱がしにかかった。
ゆっくりとピンク色のカーディガンが俺の体からはがれていく。
不思議と嫌な感じはしなかった。
俺は流れに身を任せた。
次に健二は俺のワンピースの肩紐をずらし、ネックレスの留め具を外した。
最後に健二がワンピースを脱がすと、俺はブラに、ショーツと黒タイツだけになった。


「きれいな体だね」

と健二は言った。
俺もそう思う。
服という余分な物が消えた結果、俺は自分でも沙織ちゃんのスタイルの良さを認識した。

健二は俺のブラを外そうとした。
俺は頭と足に力を入れ、少し背中を浮かせ、外しやすくした。
パチッと音がし、ホックが外れ、乳房が外気にさらされた。

俺はとっさに手で胸を隠していた。
これは考えてやったわけでなく、なんだか無性に恥ずかしかったからだ。
健二は俺の胸を熱い視線で見つめている。
まるで念願の宝を目の前にした海賊のようだ。
なんだかそんなに熱く見られると、見せたくなる。

健二は俺の手首をつかんだ。
俺も抵抗しなかった。
あごを引き、自分の胸を見ると、そこにはピンク色の乳首の沙織ちゃんの胸の山が二つあった。

健二は俺のくびれに手を回した。

「あっ」

大きくてゴツゴツした男の手。
それがだんだん上へ上へ、芋虫のように動きながら胸へ這い上がってくる。
そしてついにそれは俺の胸に触れた。

「あんっ!」

自分でも予期しなかった、女の喘ぎ声が口から漏れた。
男の時なら「わっ!」と言ってたかもしれない。
だが、これは演技でなく、本当に無意識に出た。
健二は俺の胸をつかみ、ゆっくりともみ始めた。

「ふぁ…」

俺の口から甘い吐息が漏れた。
思わず脇をしめ、身をよじる。
健二は中指と人差し指で俺の乳房の周りを円を描くようになでる。

「あっあっ」

俺はシーツをつかみ、必死に快感に耐えた。
服を脱がすとこからの一連の動作といい、こいつ手慣れてるな。
きっとそういうお店に通ってるんだろう。
一方、沙織ちゃんの体は慣れていないのでどこを触られても反応した。

「はっ…ひっ…健二さん!!」

「沙織ちゃん」

お互いの名前を呼び合う。
まるでカップルのようだ。


一旦、健二の手が止まった。
次に何をするのかと思いきや、突然俺の乳首をつまんだ。

「あんっ!!」

俺は大きくのけぞった。
ピンク色の乳首が健二の指によってピッと引き伸ばされている。
この瞬間的快感は高かった。
男の体で例えるなら、女性のしなやかな指で亀頭をつままれてると言えばいいだろうか…
しかも一つじゃない、二つだ。


今度は俺の乳首の上で健二の舌が踊り始めた。
俺のあごのすぐ下には健二の頭がある。
ペチャペチャと動く舌は気色悪かったが、気持ちよかった。
相反する二つの感情が俺を襲う。

「ひぅ…ぁっ!」

その間、俺は肉食動物に襲われた獲物のように声をあげることしかできなかった。
沙織ちゃんの乳首は赤くなり、ピンッと硬くなっていた。


やっと舌が止まった。
健二は体を起こすと、俺の腰に両手を当て、ショーツごとタイツを脱がし始めた。
黒い足が次第に白くなり、沙織ちゃんの生脚が初披露になる。
最後の砦を取られてしまえば、あとは沙織ちゃんの秘密の花園がオープンになる。
なんとも恥ずかしくなって、俺は無意識のうちに内股になっていた。

健二はなで回すように俺の裸を見ている。
ただでさえ大きい目はさらに大きくなり、鼻の穴は広がっていた。
だが、本人はそんな様子は悟られまいと口をキュッと閉めているところが滑稽だった。


「ま、待って!!」

俺はそう叫ぶと、起き上がり、部屋の鏡の前に移動した。
そして、鏡の両側に手をつき、ツンとおしりを突き出した。
エロ本にあった健二の好きな体勢だ。

「ここでお願い…」

ベッドサイドに腰掛けていた健二は、目を丸くしながら俺が何をするのか見ていたが、少し間をおいて「あぁ」と返事した。
昔から健二はこうだ。
口は軽くて願望は簡単に言うくせに、実際それが叶うのを目の当たりにすると、急に誰よりも冷静になる。
そんな妙に冷めたところを持っていた。

鏡越しに健二がベッドサイドから立ち上がる姿が見えた。
鏡には髪は少し乱れ、裸になった俺、沙織ちゃんがいる。
なんだか緊張する…
実際ここまで誘ったのは俺だが、やはり想像と現実は違う。
俺はギュッと目をつぶった。
背後でピタッと足音が止まった。

腰に大きな手の感触。
健二の指がしっかりと俺の腰を固定した。

「沙織ちゃん行くよ」

健二はそうつぶやくと、自らの巨根を俺の中に入れ始めた。
ギュッという痛み。
それはちょうど腹に拳を押し当てられ、押し上げられるような感覚だった。
本当にこんな小さな膣に健二のブツが入るのか?

「あぁぁっっ!!」

俺は思わず声をあげた。
健二のアソコが遠慮無くズブズブと入ってくる。
い、息ができない!
腹の下からこみあげてくる圧迫感。
本当に息ができない!
吐きそうで吐けない時のような苦しみ。
狭いところに大きな物が無理矢理込められていくようで…

「かはっ!」

俺はようやく息を吐き出した。
目の前の鏡には口を上にあげ、苦しそうな沙織ちゃんの姿が映っている。
もうそこにお嬢様らしさなんてない。

その背後では健二が真剣な顔つきで腰を動かしていた。

「あっ!あっ!」

健二のアソコが俺の中で激しくのたうち回る。

「あはぁん!はぁん!」

沙織ちゃんの喘ぎ声が部屋にこだまする。
その声は自分でもびっくりするぐらいAV嬢に似ていた。

犯されていると同時に自分が犯しているような倒錯。
羊を罠に掛けて狼に襲わせ、自分は羊の視点から見ているような気分。

「あぁっ!!」

健二の腰の動きが速くなった。
俺の中で健二のアソコがピストン運動している。
ぐちゃぐちゃにされる屈辱感と快感。
もはや俺自身が快感という悪魔に取り憑かれていた。

俺の膣はどんどん熱くなり、もはや自分でも感じているのがどこなのかわからないほど麻痺していた。
健二はまぶたを閉じ、唇を突き出し、「おっ、おっ」と快楽に酔っている。
健二のアソコもそろそろ限界だろう。


いや、待てよ…今中で出されたら…
さすがに中はまずい…
沙織ちゃんが妊娠してしまう可能性がある。

もしそうなったら、沙織ちゃんは俺に乗り移られている間の記憶がないから、下手したら健二は逮捕されてしまうかもしれない。合コンで俺たちが一緒に帰るのを目撃されているからごまかすのは難しいだろう。
さすがにそれじゃあシャレで済まされない・・・


「そ、外に出して!!」

俺は声を絞り出して叫んだ。

「ハァハァ…えっ?俺のこと嫌いなの?」

と健二。
何言ってるんだ、お前のためなのに…

「ち、違う!いいから外に!!」

俺はもう一度懇願した。

「俺、沙織ちゃんのこと愛してるよ」

ダ、ダメだ!全然通じてない!!
しかもあろうことか健二は腰の動きを速くした。

「あんっ!あぁぁんっ!!」

俺が感じてなくて不満足だと勘違いしてるのか!?
く、くそっ、こうなったら・・・


「俺だよ!安崎武志だよ!!」

俺はついに正体を明かした。

「えっ?安崎武志…? あぁ、高校の時の…ってなんで沙織ちゃんが知ってるんだ!?」

「だから俺が安崎武志なんだって!!」

健二はわけがわからず、困惑している。
逆の立場だったら俺もそうなってただろう。

「お前、ベッドの下に洋物のエロ本隠してるだろ!!」

「なぜそれを!?」

「だから俺が本人なんだって!!」

さすがに沙織ちゃんの豹変ぶりに何か感じたのか健二の動きが鈍くなった。
だが、快感が急に止まるわけじゃない。
もう俺も健二も限界だった。

「とにかく外に出せ!!」

「わかった!!」

健二は俺の腰をつかみ、抜き始めた。
だが、かなり奥まで入ってたようで一気には抜けない。
それに抜くときの摩擦で、ジンジンに熱くなった俺の膣が刺激された。


ビシュウウウゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!


間一髪、健二のチルドレンたちは俺の背中に放たれた。
背中にぐっちゃりとした感覚。
頭も体もぐちゃぐちゃだった。
俺はその場にへたり込んだ。
健二はベッドに大の字に倒れ、息をあげている。
そのまま一分くらい俺たちは息を整えた。


「で、一体どういうことだよ?」

大の字になったまま健二が切り出してきた。

「ハァハァ…あぁ、実は俺、幽体離脱できるんだ…ハァハァ」

「幽体離脱?体から出て透明人間みたいになれるってあれか?」

「おぅ、それだけじゃない。他人に憑依することもできる」

「じゃあまさか合コンの鼻っから…」

「あぁ。でも最初はルミに乗り移ってたんだ。途中でトイレに行った時に沙織ちゃんに乗り換えたんだ」

「どうりでうまく行き過ぎだと思ったぜ…」

「わりぃ。最初はちょっとからかうつもりだけだったんだけどな… ところでお前こっちに戻ってきてたのか…」

「あぁ、向こうで営業やってたんだが、結構ブラック企業でさ。ヘトヘトになって戻ってきたんだよ」

「そうか…」

お気楽そうに見えても、健二にもいろいろあったんだな…


「ふぅ」

健二は一息つくと体を起こし、俺をマジマジと見つめはじめた。

「な、なんだよ」

「へぇ~ お前が武志とは全然思えないなぁ」

「そりゃそうだろう。見た目は完全に沙織ちゃんだからな」

「これからどうすればいいんだ?」

「とりあえずタクシーを呼んでくれ。俺を沙織ちゃんの家まで送るんだ。沙織ちゃんが飲み過ぎてお前が介抱したということにするんだよ」

「なるほど」

健二が電話でタクシーを呼んでる間、俺は床に散らかった服を着始めた。
ショーツをはき、ブラを付けよう、ホックがなかなか留まらない。


「タクシー呼んだぞ」

「頼む、ホックを留めてくれ」

「あぁ、わかった」

健二はうれしそうに俺の背後に回り、ホックを留めた。


次に黒タイツを履こうとしたが、健二が強引に脱がせようとしたせいか、何カ所か伝線していた。
さすがにこれじゃまずいな…
俺は健二に頼んで近所のコンビニに買いに行かせた。

その間にワンピースとカーディガンを着込み、鏡の前に立って乱れた髪を部屋にあった健二のクシで整え、服のしわを伸ばした。
忘れ物はないか確認した後、沙織ちゃんの財布から学生証を探し、住所を調べた。

やがて健二が戻ってきた。
俺は健二から新しいタイツを受け取ると、包装から出して足に通した。

「この破れたのはどうすんだ?」

「あぁ、好きにしていいよ」

「マジか!?ラッキー♪」

そう言って健二は破れたタイツをクンクン嗅ぎだした。
まったく…

俺がはきおえたとほぼ同時に家の前に車が止まる音がした。
俺と健二は家を出る。
もう結構酔いは抜けていたが、わざと千鳥足で健二に支えられながらタクシーに乗った。
タクシーに乗ってる間、ずっと健二の肩に頭をのせて目を閉じていた。
なぜか無性に心地良かった。
健二は窓の外を見つめたまま。口にこそ出さなかったが、うれしそうだった。


やがて車は沙織ちゃんの家に着いた。
大きな木の門構えの立派な家だった。
門の前では着物を着た70代くらいの老女が心配そうな顔つきで立ってきた。
健二の肩を借りて車を降りると、その老女が心配そうに駆け寄ってきた。

「まあ、お嬢様…」

俺のことをお嬢様と呼ぶことは沙織ちゃんの祖母ではないだろう。
気弱そうな表情からしてお手伝いさんか何かか。

「大丈夫?沙織ちゃん?」

健二が問いかける。
もちろん演技だが。

「えぇ、ちょっと飲み過ぎたみたいで…。この方が助けてくださったんです…」

「まぁ、なんとお礼を申したら…」

「いえ、いいんです。じゃあ俺はこれで。あとはお願いします」

健二はそう言って、再びタクシーに乗って帰って行った。
一方、俺はお手伝いに支えられながら沙織ちゃんの部屋に帰った。
帰ったと言っても俺にとっては初めて入る部屋だが。

布団に入ると、すぐに眠気が襲ってきた。
よし、ここまで来れば大丈夫だな。
俺は沙織ちゃんの体から抜けた。

下を見ると、沙織ちゃんがスヤスヤと寝ていた。
おそらく明日の朝起きて、昨晩の記憶がないことに気づくだろう。
だけど、お手伝いさんから昨日自分が健二に助けられたと言っていたことを聞かされて、しぶしぶ納得するに違いない。


ふぅ、今日は長い一日だったなぁ。
最初はデート前の友子に乗り移って、次にその後輩の梨穂ちゃんに乗り移って、女子大のトイレでルミに乗り換えて、女性専用車両で痴漢して、最後は合コン会場で沙織ちゃんへと…
まるで一日が一年のような気分だ。
さて、俺も帰るか。
こうして、俺は沙織ちゃんの屋敷を後にした。









  一週間後…


俺は再び健二の玄関前に立っていた。
インターホンを押す。
ドアの向こうからドタバタと音がして、健二が出てきた。


joyuu.jpg


「ほら、お前の好きなAV女優に乗り移ってやったぜ」

「おおぅ!待ってたぜっ!!」

健二は鼻をふくらませ、大喜びしてる。

「この体探すの大変だったんだぜ~ 会社の場所わかんなかったし。ま、関連会社の美人秘書の乗り移ってなんとか見つけたけどな」

「おぉ!サンキュサンキュ!マジ感謝!! あとでサインもしてくれよ!!」

そう行って健二はDVDを取りだした。
ジャケットには今の俺の姿が映っている。
まるで手鏡を見ているようだ…

「俺のサインになるけど…いいのか?」

「ま、とにかく中に入れよ!早速やろうぜ!!」



(『憑依してGO!』 おしまい)


憑依してGO! その7



「お待たせいたしました」

店員が俺たちのテーブルに酒を運んできた。
おっ、うまそうな生だ!
と、ビールグラスは俺の目の前を通過して男性陣に振り分けられた。
代わりに俺の前にはチューハイが置かれた。
チッ、まぁしょうがないか。
今の俺は女性陣だからな。


「ねぇ、沙織ちゃんってどこの大学なの?」

左隣にグラスを渡すついでに聞いてみた。

「はい、□△女子大です」

へ~ □△女子大って言えば金持ちや名家の令嬢が通う名門校じゃないか。
どうりでどこか気品を感じたわけだ。
きっと親も金持ちなんだろうなぁ。

と、右腕に痛みがする。
振り向くと、マヤがひじで俺を小突いている。

「ねぇ、もう沙織さんのことはいいからさ。合コンに集中しなよ」

マヤが耳元でささやく。
本当はもっと沙織ちゃんといっぱいしゃべりたかったが、怪しまれるといろいろ面倒だ。
俺は正面に向き直り、イスを少し引き、姿勢を正した。
そして、男性陣を見渡した。

一番左に座ってる眼鏡の背の高いのがたしか弁護士を目指してる大学院に通ってる男だっけか。
で、俺の正面のパーカー着てけだるそうにしてるのが、どっかのクラブでDJやってる男だっけか。
そして、一番右の紺のスーツ着てるのが幹事の健二と。

はぁ~ 何も感じない。
ってかなんで俺が男とくっつかないといけないんだよ!!


場は健二がテーブルに両ひじを突き、やや身を乗り出してしゃべっていた。

「でさ~ 生活指導の矢島に大目玉くらってさ~」

ん?生活指導の矢島といったら、俺の高校時代と同じじゃないか。

「それで、帰りにツレと一緒にやつの車のボンネットに乗って立ちションかけてやったのさ」

「ギャハハ!マジで~!!」

マヤが会話に入ってきやすくするためにか過剰に笑う。
ってかそのツレって俺だ!
まさかこいつ戸山健二か!!


戸山健二は俺が高校の3年間同じクラスだったやつだ。
親友というわけではないが、知り合いというわけでもない。
高校という檻の中で暇を持て余した俺たちは、エロ本を貸し合ったりいたずらしたりよく一緒にくだらないことやった。

それは高校二年の夏。
昼休み、健二と一緒にブラブラしていると、片付けのために体育倉庫の中の道具が外に出されていた。
期末試験が終わり、あとは夏休みを残すだけという解放的な気分も相まって、俺と健二はカラーコーンを並べバレーボールでボーリングをしたり、とび箱をどこまでうず高く積めるか挑戦した。

が、運の悪いことにたまたま通りかかった生活指導の矢島に見つかり、こっぴどく叱られ、放課後陽が暮れるまで、代わりに体育倉庫の掃除をさせられた。
掃除中も怒鳴られ続け、完全にキレた俺たちは、今思うと若気の至りだが、帰りに矢島の車のボンネットに乗って小便かけてやった。


間違いない、こいつ戸山健二だ。
髪を茶色に染め立て、スーツに身を包んでいたので全然気づかなかった。
だが、顔だけよく見れば大きい目といい、厚い唇といい、健二そのものだ。
あの会ったときの「ウッス」で気づくべきだった。

卒業後、健二は「一旗あげる」と言って街を出て行ったが、戻ってきていたのか。
それにしてもまさかこんなところで再会するとはな。
俺は吹き出しそうになるのを必死にこらえた。


「で、そのツレってどんな人だったの~?」

俺はわざと甘ったるい声で健二に聞いた。

「あぁ、変わったやつだったよ」

「なんだと!?」

「お、おいおい、なんでお前が怒るんだよ」

「あ、ううん、なんでもない」

俺の笑顔は引きつっていた…と思う。


「でも、悪いやつじゃなかったぜ」

健二が付け加えた。
健二…
そうか、俺たちの友情はまだ生きてたんだな…

よ~し、ここは昔のよしみだ。
健二に一花持たせてやるか。


と、マヤが突然立ち上がった。

「ちょっとトイレ行ってくるね」

「あぁ」

「どうぞどうぞ」

男性陣が答える。

「行こっ」

マヤが俺の袖をつまみ上げた。
俺と沙織ちゃんはマヤの雰囲気に圧され、立ち上がった。
そして三人で女子トイレに向かった。
なるほど、作戦タイムってやつか。


「どう?今のところ?」

女子トイレに入るなり、マヤが振り返った。

「えっ…」

沙織ちゃんが右手を胸の前に当て戸惑う。

「沙織さん、誰が気になる?」

「私はえっと…」

「持永君のこと気になってるでしょ?」

「えっ… あっ… その…」

持永っていうと、あの弁護士目指してる大学院生か。
そういえば、俺の隣で沙織ちゃんと話してたな。
たどたどしくて合コンというよりはお見合いみたいな雰囲気だったが。

「でも、健二が沙織さんのこと狙ってるよ」

「えっ…」

再び戸惑う沙織ちゃん。
戸惑う姿もかわいい。

言われてみれば、健二はちらちら沙織ちゃんのほうを見ていたな。
それにしてもこのマヤって女すごいな。
持永のことも健二のことも言われるまで全然気づかなかったぜ。
さすが本物の女の勘というか、踏んできた場数が違うんだろう。


「ルミは誰狙い?」

と、今度は俺に話を振ってきてた。

「私は…健二かなぁ」

「はぁ!?何言ってんのあんた!?」

マヤの目と口がありえないという具合に見開いた。

「今日のあんた絶対おかしいよ!! なんか来た時からいつもと雰囲気違うってかさ」

「そ、そんなことないよ」

「ウソ!ノリ悪いし。まるで別人みたい!」

やべぇ… 思いっきり怪しまれてる……
うまく演じたつもりだったが… こいつこの体のマブダチだからさすがにバレたか…


「マヤさん、そんな風に言わなくても… きっと今日は調子が悪かったんですよね?」

「あ、ううん… まぁ…」

こんな時でも俺をかばってくれるなんて沙織ちゃんはやさしいなぁ。
が、状況がヤバいのは変わりない。
マヤはこちらを怪訝そうな目でにらんでいる。
まるで「お前は誰だ」という目で。


どうする!?考えるんだ俺!!
俺と健二は沙織ちゃん狙いだが、俺は別に健二とくっついてもいい。
沙織ちゃんと持永は両想いなのか?
この複雑な連立方程式を解くには…

そうだ!俺が沙織ちゃんに乗り移ればいいんだ!!
そうすれば健二は沙織ちゃんとくっつくことができる!
俺も沙織ちゃんの体を味わえるし、沙織ちゃんの意識は眠ってしまうので持永は関係なくなる。
それに、沙織ちゃんとはみんな初対面だから多少変な行動取っても怪しまれないだろう。


そうと決まれば善は急げだ。
俺は瑠美の体から抜けた。
バタッと鈍い音がし、瑠美が床に倒れた。

「どうしたのルミ!?」

「瑠美さん!?」

突然の出来事に、驚く二人。

「しっかりしてよルミ!!」

「しっかりしてください!!やっぱりどこか調子が悪かったんですね…」

白目を向いて倒れている瑠美を揺り動かすマヤと、それを心配そうに見つめる沙織ちゃん。
俺はその様子を個室の扉の上から見下ろしていた。
ちょっと顔を上げれば、すぐ鼻の先に天井がある。

ついさっきまで俺がはいていた白いミニスカートはまくれ、髪は海草のように床に広がってしまっている。
こうして上から見ると、瑠美ってこの中で一番巨乳だったんだな。
ちょっと惜しいことをしたか。


「ルミ起きてってば!!ダメ…全然起きない……」

「私、店員さん呼んできます!!」

そんなことさせないよ♪

俺は走り出そうとする沙織ちゃんの背中に飛び込んだ。

「あっ!!」



saorihe2.jpg



「あれ…あたしなんで…」

「ルミ!!」

目の前に瑠美を介抱しているマヤの姿が映る。

「マヤ… ってか、ココどこ?」

「はぁ?トイレに決まってるじゃん」

「なんであたしここにいるの?」

「あんたほんとに大丈夫!?自分でここまで来たんじゃない!」

「あれ?そうだっけ…?」


へへっ、こいつがバカで助かったぜ。

「心配掛けてごめんね沙織さん」

マヤが振り返って俺に話しかけてきた。

「いえ、いいんです」

俺は沙織ちゃん風に答えた。

「ほら、あんたも謝りなよ」

「ご、ごめんなさい」

瑠美は上目遣いで二度軽く頭を下げた。
が、目はキョロキョロしており、あきらかに戸惑っていた。
それもそのはず、ほんとは瑠美は沙織ちゃんとは初対面なのだが、それを言うとまたマヤに怒られそうなので、何もわからず頭を下げてるんだろう。

「いいえ、お気になさらずに」

俺は肩両手をスカートの前で合わせ、にっこり微笑んだ。
そうだ、そのまま気にしなきゃいいんだよ。



「じゃあそろそろ戻ろうか」

「はい」

マヤと瑠美が先に女子トイレを出る。
俺もその後を追って出た。

「おっかしいな~」

瑠美は髪をいじりながらしきりに不思議がっている。
無理もない、俺に乗り移られている間は意識がなかったんだもんな。
いきなり大学の女子トイレから居酒屋のトイレにワープし、数時間経っていたわけだ。
まぁ、女性専用車両で中学生に痴漢した記憶がないのは幸いだろう。


さてと、今回はゆっくり体を詮索する暇がないので、こうして廊下を歩いてるうちに体の感触を確かめなければ…
まず、股に密着感を感じる。
黒タイツをはいてるからか。

ひざから下はブーツに覆われ、歩くたびにカツカツという靴音と、黒タイツに包まれた足裏がブーツの底とこすれて妙に気持ちいい。
足先から腰まで衣服に覆われているので、歩いていても自分の体という実感がわかない。
まるで下半身が別人のようだ。
実際別人なのだが。


腰には大きなピンクのリボンのベルト。
触ってみると、クシュクシュした感触とつるつるした感触を同時に覚えた。
首元のひんやりした感触は高そうなネックレスか。

髪は腰まで伸びており、耳にかかってるので、やや音がこもる。
それと、さっきの瑠美のタートルネックとは違い、首元が開いてるので、歩くたびに髪が小さなほうきのように揺れて、くすぐったい。
今日乗り移った女の中では、二番目に乗り移った梨穂ちゃんに一番近いか。

シンプルだった瑠美の服に比べると、重ね着したり、タイツやベルトで体を押さえつけているので窮屈だ。
だが、女はこうやってちょっと我慢して着飾るぐらいがいい。
それを一枚一枚はがしていくのも男の甲斐性だ。


ん?なんか歯と歯の間に挟まっている。
俺がさっき沙織ちゃんに勧めた焼き鳥か。

さ~て、食われに行くか

俺は舌で焼き鳥をつまみ出すと、口の中で一回転させ、ゆっくりと呑み込んだ。



憑依してGO! その6



「へへっ、さっきの女子中学生の胸やわらかかったな~」

女性専用車両を降りた俺は、エスカレーターを降り改札に向かった。


改札を出ると、やけに駅前が騒々しい。

「待て~!杉川~!!」

外を見ると、人込みをかきわけ、サラリーマンがOLを追っていた。
なんだありゃ?ケンカか?
最近は変なのが多いなぁ。
ま、いっか。


俺は改札口を見渡した。
駅内のカフェやコンビニ、そして行き交う人々。
と、一人の女と目が合った。

「ルミ~ こっちこっち~」

赤い帽子をかぶったウェスタン風の格好の女が手を挙げて俺を呼んでいる。
あいつがこの体、小宮瑠美のマブダチのマヤって女か。
俺が女子大のトイレでこの体に乗り移る直前、携帯で合コンに誘ってた女だな。
当然向こうは俺のことを知っているが、俺はメールの情報で推測するしかない。
ここはうまく小宮瑠美を演じないとな。

「お待たせ~」

俺は女っぽく甘えた声で近づいた。
マヤの周りにはすでに他のメンバーが待っていた。

「きたきた!さっき言ってた同じ大学のルミだよ」

「よろしく~☆」

マヤから紹介されて軽く頭を下げる。
周りの視線が一斉に俺に注がれて恥ずかしい。
頭を上げると、俺の左前に眼鏡をかけた真面目そうな長身の男と、柱に腕を組みながらもたれていたあごひげにパーカーの男がいた。
こいつらが男性陣か。
ま、男とかどうでもいいけど。
それより女性陣だ!!


俺の右手前にいる女がマヤ。
薄茶色の髪に、浅黒い肌。
短いデニムスカートから伸びる生足とウエスタンブーツがセクシーだ。
それにパッチリメイクで目がやたら強調されている。
俺よりギャルっぽい女だな。

その奥にもう一人女が立っていた。
ピンク色のカーディガンに、白のワンピース。
黒タイツにブーツをはき、スカートの前で手を組んで肩を小さくして立っている。
清楚そうでなかなかかわいいなぁ♪
俺が彼女を見てることにマヤが気づいた。

「ほら、メールで言ってたアミの友達の沙織さんだよ」

なるほど、そういえば、電車を待ってる間に読んでたメールに書かれていたなぁ。
たしか本当はアミって子が来る予定だったが、行けなくなって代わりにその友達が来るとか。

「こんばんは」

沙織ちゃんのおじぎは、手を前で揃えたままきれいな角度で、どこか高貴な女性の雰囲気があった。

「私、こういうのを初めてで…」

俺の目を見ながら不安そうに言う。
なるほど、どうりで場違いというか初々しいのもうなずける。
その少し頭を下げて身を引いた姿は周囲を警戒するリスのようで愛しかった。

「大丈夫、私たちが教えてあげるから。ねっ、ルミ☆」

「うん」

へへっ、こりゃ楽しい合コンになりそうだ♪



「それにしても、健二おっそ~い~」

マヤが大きな愚痴をあげる。

「あいつ幹事なのに」

まだ誰か来るのか。
そういえば今ここに来てるのは男2人に女3人。
2:3じゃバランス悪いしな。

と、改札口から黒いバックを持ったサラリーマンの男が慌てて走ってきた。
年は俺と同じぐらい、茶色の立てた髪に、紺のスーツ姿、目は大きくて活発そうな感じがする男だ。


「わりぃ、わりぃ、仕事が長引いちゃってさ~」

男は頭をかいて苦笑いしてる。

「もう、幹事が遅刻とかサイアク~」

「お、もうみなさんお揃いのようですな」

健二がおどける。

「当たり前じゃん、誰かさんが遅刻してきたんだから」

そんな健二とマヤのやりとりに小さな笑いが起こる。
沙織ちゃんも口元に手を当てて微笑んでいた。
さっきまでみんな互いに少し距離感のある空気だったのに、健二は一瞬にしてまとめた。
ムードメーカーの素質があるな。


「ウッス!」

健二は俺と目が合った瞬間、軽く手を挙げた。

「えっ」

突然のことに一瞬戸惑ったが、怪しまれるといけないので「ウッス」と同じくおどけて手を挙げて返した。
俺に自己紹介することなしに「ウッス」とあいさつするということは、健二と瑠美は顔見知りということだな。
それにしてもなんだかこんなやりとり前にもどっかでしたことあるな。

「じゃあ行こうか。店は俺が予約してるから」

こうして俺たちは店に向かった。



店はきれいな居酒屋だった。
幸運にも俺は沙織ちゃんの隣の席になった。
やっぱマヤよりも沙織ちゃんだよな~
俺、ギャルっぽい女より清楚な女の子のほうが好きだし。

女性陣はマヤが、男性陣は健二が盛り上げようとがんばっていたが、俺はそもそも瑠美じゃないのでテキトーにうなづいたり話を合わせた。
それより、料理が来たら沙織ちゃんに取り分け、お酒が切れそうになったらお酌してあげた。



居酒屋



俺のすぐ隣で女の子が食べている。
男の俺なら、飲食店で女の隣になると、5秒でどっか行かれてしまうが、今の俺は同じ”女子同士”。
不思議なほどまったく警戒されてない。

隣からほのかに女の子らしい甘い香りがする。
ピンクのカーディガンやベルトのリボン。
なんとも言えない女の子らしいふわふわした感じの服の見た目に、食欲より性欲をそそられる。
あの白いワンピースの中には、かわいいブラやショーツをはいてるんだろうなぁ。
そういえば俺もはいてるんだっけ。
そう思うと、急に胸や股の締め付けを意識した。


「沙織ちゃんってかわいいね♪」

「えっ、そんなことないですよ。瑠美さんもかわいいです」

えへへ、沙織ちゃんに褒められちゃった♪


その後も何度か話しかけたが、どうもつれない。
沙織ちゃんと目がなかなか合わず、彼女の目は男性陣に向かっている。
ま、考えてみりゃそれもそうだな。
合コンは異性を狙うゲームだし。
しょせん同性の瑠美の体では限界があるか…


憑依してGO! その5



女子大生に乗り移った俺は、女子大を出て、駅に向かった。
歩くたびに白いミニスカートが揺れ、ウェーブのかかった茶髪が耳をくすぐり、気持ちいい~♪
下はゆるふわしてるのに、上はブラが胸を締め付け、男にはないアンバランスさがまたいい。
へへっ、通り過ぎるたびにスケベな男共の視線を感じるぜ♪

駅に着いた。
駅の中は様々な女が交差している。
昔だったらそんな女たちに嫉妬していただろうが、今の俺は正真正銘の女子大生だ。
あそこのハイヒールをはいたOLにも、ショートパンツをはいたギャルにも見劣りしない。


俺はエスカレーターに乗り、ホームに向かった。
こういう時、ミニスカの裾を手で押さえたほうがいいのか?
まあいいや、後ろの眼鏡をかけて茶色のスーツを着た固そうなおっさんにサービスしちゃえ!

俺はわざと前かがみになり、おしりを突き出した。
降りる時に後ろを振り向くと、おっさんは新聞に目を落としながら顔を赤くし、目のやり場に困っていた。
へへっ、やっぱり女の魔力はすげぇぜ♪


ホームの電子表示板を見ると、電車が来るまであと10分か…
よし、今のうちにこの体の情報を調べておくか。
俺は大きなハートの付いたハンドバックから、学生証を探した。

かわいい顔写真の横に書かれている俺の名前は…小宮瑠美。
○×女子大2年か。
これだけじゃわからないので、携帯を探した。

丸いブツブツでデコられた携帯のボディ。
キラキラ輝く大きな蝶の形のストラップ。
なんで女って携帯までこんな飾り付けるんだ?

まぁいいや、俺はピンク色のマニュキュアに彩られた長い指を使ってメール画面を表示した。
メールを読めば、この小宮瑠美の口癖、性格、近況などがだいたいわかる。
それに女子大生のメールを盗み見してるだけでも結構興奮する。

周りのカップルやサラリーマンたちは、何食わぬ顔で俺の後ろを通り過ぎてく。
はた目には、女子大生が自分の携帯をいじってるよくある光景にしか見えないだろう。
まさか変態男が女子大生のメールを盗み見しているなんて夢にも思うまい。


よし、だいたいわかった。
この俺、小宮瑠美は、半年前まで男と付き合っていた。
だが、今は別れ、新たな出会いを求めて合コンをハシゴしてる。

データフォルダには、元彼の写真が残っていた。
茶髪の髪を立てた、人を小馬鹿にしたような男がピースサインしていた。
へっ、顔だけで選ぶからだよ。

ん…待てよ…
俺、こいつの彼女だったんだ…
ってことは……

俺は自分の股を見下ろした。
白いフリルが揺れている。
俺、こいつにハメられたことがあるってことかよ…
ひ~!最悪!!
こんな軽そうな“男”に抱かれたことがあるなんて!!
股がかゆくなってきた!!


それにしても、電車遅いな…
俺は電車が来るほうを見渡した。
ん?黄色い線の内側にピンクの床が見える。
あれは…女性専用車両のマークか。

へへっ、せっかくだからあっちに乗るか。
なんたって俺は“女性”なんだから♪
俺はパンプスのヒールを鳴らし、女性専用車両のマークの前に移動した。


女性専用車両


やがて電車がやって来た。
銀色の扉が開き、何人かの女が降りてくる。
入れ替わりに、俺は何食わぬ顔で女性専用車両に乗り込んだ。

ふぅ、エアコンが効いていて快適だ。
車内を見渡すと、どこを見ても女!女!女!女!
20~30代の私服の女が多い。
女子高生やお婆さんもいるが。

しかも満席でなく、ところどころ席が空いている。
他の車両はギュウギュウだっていうのに、女ばっかりずるいな。
ま、今は俺もその特権階級“女性”だからいっか。


隣駅までなので、あえて席にはつかず、入り口付近に立った。
電車が動き出した。

「うっ!」

転びそうになり、思わず手すりをつかんだ。
あぶねぇ、あぶねぇ、パンプスだってことを忘れてたぜ。

さ~て♪
俺は電車内の女たちを観察し始めた。
男の体なら、女の体をジロジロ見ていたら怪しまれるが、今はそんな心配は要らない。
しかも、男の目がないだけあって、女性たちも堂々と寝ていたり、リラックスしたり油断している。

あのコートの女、唇がいいなぁ。
あっちの女は足がきれいだなぁ。
もう!あの唇の女があっちの脚だったらいいのに!!


おっ?
反対側の入り口付近に白くてかる生地が見えた。
セーラー服か。

セーラー服の主は三つ編みの女子中学生だった。
眼鏡を掛けていて、清純で奥手な雰囲気。
右手で手すりをつかみながら、左手で小説を読んでいる。
きれいなうなじだ。

俺はさりげなく、彼女の背後に近づいた。
女子中学生は小説に集中していて、俺に気づいていない。
目の前の彼女の背中は、セーラー服越しに青縞のキャミソールが透けて見える。

その背中に鼻を近づけてみた。
う~ん、甘酸っぱいいい匂いだ♪
しわのほとんどないセーラー服はつやつやしていて、たまらん!!


俺は我慢できずにセーラー服の青いスカートに手を伸ばした。
ここからだとちょうど死角になっていて、座ってる乗客からは見えない。
そして、スカート越しに青いおしりをなでた。
う~ん♪スカートの生地は見た目通りなめらかで、ひだが手に当たるとしわが寄り、征服感を感じる。

「えっ」

女子中学生は振り返って俺を見た。
何が起きたかわからないといった顔をしていた。
俺はニッコリ微笑むと、スカートの裾から手を侵入させ、今度はショーツ越しに円を描くようになで回した。
へへっ、やわらかくて、適度に弾力があって、いいケツしてるなぁ。


「えっ?えっ?」

女子中学生は小説を読むのを止め、俺のほうを振り返りながらおびえている。
へへっ、まさか女性専用車両で痴漢に遭うなんて夢にも思わなかっただろう。
しかも、同じ“女性”に。

俺の口元からよだれが落ちて胸の谷間に落ちた。
手を少し上げると、女子中学生のショーツが見えた。
花柄のショーツはおしりの溝に吸い付くようにヘコんでいる。
くそっ、男の象徴があったら、おしりの溝にこすりつけたいところだが、あいにく今の俺の股には白いフリルしかねぇ。


「や、やめてください…」

彼女は小声でおびえながら精一杯の声をひねり出した。

「いいじゃない、女同士なんだから♪」

そう言って俺はウインクすると、ショーツの前に指を突っ込んだ。

「ひっ、ひぃ!」

へへっ、思ったより濡れてないな。
未成熟で、やわらかくて、ぷにぷにしてるぜ。
女子中学生は窓ガラスにおでこを付け、声を殺している。


ん…?
さすがに他の乗客の視線を感じてきたので、そろそろ痴漢タイムも終わりにするか。
ちょうど駅にも着くしな。

俺は指を抜いてスカートを元通り正してあげた。
そして、耳元で「あなたいいオンナになるわよ♪」と囁いて、彼女のうなじにキスしてあげた。
彼女のうなじには、くっきりピンク色のキスマークが付いていた。

それを見届けると、俺は開いたドアから降りて、マニュキュアに付いた汁をなめた。


憑依してGO! その4



「ハァハァ…」

梨穂ちゃんに乗り移ったはいいが、下半身がジンジン熱くてうまく歩けない…
俺のテクがよかったのか… この体が敏感なのか… あるいはその両方か…

壁に手を突きながら歩いていると、目の前にトイレが見えた。
よし、あそこで少し休もう…
俺はトイレに入り、小便器の向かいの個室に入った。


ガチャと鍵を掛け、カバーも上げずに便座に尻餅を着く。

「フゥ~~」

だいぶ楽になった。
俺の口から生温かい梨穂ちゃんの吐息が漏れる。
でも、まだ下半身が熱い…

俺は白いワンピースのスカートをまくり上げてみた。
ピンク色のかわいいフリル付きのショーツは、だいぶ濡れていた。
我慢できなくなった俺は、ショーツの中に指を伸ばした。


「あんっ!」

ちょっと触っただけなのに、まるで亀頭をかじられたような快感が走った。
俺は細くて長いきれいな指を、さらに奥まで侵入させた。

「あぁん!!」

今度は下半身全体に快感が走った。
そのまま指で円を描く。

「あぁん!! ハァハァ…」

大事な部分に快感が走るたび、俺の口から喘ぎ声が漏れる。
それはウブな少女のようで、自分の喘ぎ声でさらに興奮が増し、それに
より喘ぎ声が漏れ…と快感のスパイラルに陥っていった。


俺が一人遊びに興じていると、遠くから話し声が聞こえた。
だんだん近づいてくる。

「えー マジー」

話し声が俺の背後の壁から聞こえ始めた。
どうやら学生が携帯電話でしゃべりながら女子トイレに入ってきたようだ。
ん?女子トイレ?
あ、しまった、ついいつもの癖で男のほうに入ってしまったのか…


「今から合コン?行く!行く!」

壁の向こうからバカでかい声が聞こえる。

「うっ…」

俺の秘部から熱いものがこみあげてきた。
体が震え、便座がガタガタ言い始めた。
もう俺の指は魔術にかけられたように止まらない。

「あっ!イクゥゥゥゥッッッッッ!!!!!!!!」


俺の秘部から熱い液体が噴き出した。
ドッと体の力が抜け、だらんと腕が垂れた。
ふとももをだらりと液体が垂れる。

「ハァハァ…」

やっぱり女の快感はすごいぜ…
体全体がまだ熱い…
そういえば、後ろの女の声が止んだが…


「クスクス 誰かが男のほうでヤッてるみたい アハハ!」

小声でしゃべってるつもりだろうが、ハッキリ聞こえる。

「じゃあ、今から駅前でね。バイバーイ!」


ピッ

電子音と共に女の声は止んだ。
よし、俺もそろそろ出るか。

「ん…」

立ち上がろうとするが、腰に力が入らない。
まるでギックリ腰になったようだ。
くそぅ…遊びすぎたか……


壁の向こうからチョロチョロと音がする。
後ろの女が小便してるようだ。
ん?待てよ?何もこの体に固執することはない。
後ろの女に乗り換えよう!


俺は梨穂ちゃんの体から抜け、後ろの壁をすり抜けた。
すると、茶髪の女が便座に座って、トイレットペーパーで股を拭いていた。
ちょっとしたのぞき気分だ。

女はショーツを持ち上げると、ドアの鍵に手を掛けた。
よし!今が乗り移りどきだ!
俺は彼女の背中に飛び込んだ!!


視界が一瞬で切り替わり、目の前にピンク色の女子トイレのタイルが見えた。
男子トイレとは左右対称なので、鏡の中の世界に入った気分だ。
俺はおそるおそる一歩踏み出した。
さっきまでウェッジソールだったが、今はパンプスなので、歩くのにコツがいる。

俺は鏡の前に立った。
そこには、軽くウェーブのかかった茶髪の女が立っていた。

「顔もなかなか悪くないな」


黒いタートルネックにシルバーのハート形のペンダント。
フリルの白いミニスカートに、黒いニーソックス。
こんなものを俺が着ていると思うと、ちょっと恥ずかしい。

スリーサイズはどのくらいだろうか…
俺は胸に手をわしづかみしてみた。
う~ん…80ぐらいか?

次に腰に手を回してみた。


仁王立ち


う~ん、ウエストはちょっと太めかな。

次におしりをさわってみた。
フリルの生地が心地よい。
ヒップはまあまあだな。
ま、これだけ胸があれば充分か。

たしか今から合コンとか言っていたな。
よし、俺が代わりに行ってやろう!
かわいい子たくさんいるといいなぁ♪


俺は女子トイレを出た。
その直後、隣から「キャーーーッッッ!!!」という悲鳴が聞こえた。
俺はスキップしながら出口に向かって行った。


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