憑依してGO! その5



女子大生に乗り移った俺は、女子大を出て、駅に向かった。
歩くたびに白いミニスカートが揺れ、ウェーブのかかった茶髪が耳をくすぐり、気持ちいい~♪
下はゆるふわしてるのに、上はブラが胸を締め付け、男にはないアンバランスさがまたいい。
へへっ、通り過ぎるたびにスケベな男共の視線を感じるぜ♪

駅に着いた。
駅の中は様々な女が交差している。
昔だったらそんな女たちに嫉妬していただろうが、今の俺は正真正銘の女子大生だ。
あそこのハイヒールをはいたOLにも、ショートパンツをはいたギャルにも見劣りしない。


俺はエスカレーターに乗り、ホームに向かった。
こういう時、ミニスカの裾を手で押さえたほうがいいのか?
まあいいや、後ろの眼鏡をかけて茶色のスーツを着た固そうなおっさんにサービスしちゃえ!

俺はわざと前かがみになり、おしりを突き出した。
降りる時に後ろを振り向くと、おっさんは新聞に目を落としながら顔を赤くし、目のやり場に困っていた。
へへっ、やっぱり女の魔力はすげぇぜ♪


ホームの電子表示板を見ると、電車が来るまであと10分か…
よし、今のうちにこの体の情報を調べておくか。
俺は大きなハートの付いたハンドバックから、学生証を探した。

かわいい顔写真の横に書かれている俺の名前は…小宮瑠美。
○×女子大2年か。
これだけじゃわからないので、携帯を探した。

丸いブツブツでデコられた携帯のボディ。
キラキラ輝く大きな蝶の形のストラップ。
なんで女って携帯までこんな飾り付けるんだ?

まぁいいや、俺はピンク色のマニュキュアに彩られた長い指を使ってメール画面を表示した。
メールを読めば、この小宮瑠美の口癖、性格、近況などがだいたいわかる。
それに女子大生のメールを盗み見してるだけでも結構興奮する。

周りのカップルやサラリーマンたちは、何食わぬ顔で俺の後ろを通り過ぎてく。
はた目には、女子大生が自分の携帯をいじってるよくある光景にしか見えないだろう。
まさか変態男が女子大生のメールを盗み見しているなんて夢にも思うまい。


よし、だいたいわかった。
この俺、小宮瑠美は、半年前まで男と付き合っていた。
だが、今は別れ、新たな出会いを求めて合コンをハシゴしてる。

データフォルダには、元彼の写真が残っていた。
茶髪の髪を立てた、人を小馬鹿にしたような男がピースサインしていた。
へっ、顔だけで選ぶからだよ。

ん…待てよ…
俺、こいつの彼女だったんだ…
ってことは……

俺は自分の股を見下ろした。
白いフリルが揺れている。
俺、こいつにハメられたことがあるってことかよ…
ひ~!最悪!!
こんな軽そうな“男”に抱かれたことがあるなんて!!
股がかゆくなってきた!!


それにしても、電車遅いな…
俺は電車が来るほうを見渡した。
ん?黄色い線の内側にピンクの床が見える。
あれは…女性専用車両のマークか。

へへっ、せっかくだからあっちに乗るか。
なんたって俺は“女性”なんだから♪
俺はパンプスのヒールを鳴らし、女性専用車両のマークの前に移動した。


女性専用車両


やがて電車がやって来た。
銀色の扉が開き、何人かの女が降りてくる。
入れ替わりに、俺は何食わぬ顔で女性専用車両に乗り込んだ。

ふぅ、エアコンが効いていて快適だ。
車内を見渡すと、どこを見ても女!女!女!女!
20~30代の私服の女が多い。
女子高生やお婆さんもいるが。

しかも満席でなく、ところどころ席が空いている。
他の車両はギュウギュウだっていうのに、女ばっかりずるいな。
ま、今は俺もその特権階級“女性”だからいっか。


隣駅までなので、あえて席にはつかず、入り口付近に立った。
電車が動き出した。

「うっ!」

転びそうになり、思わず手すりをつかんだ。
あぶねぇ、あぶねぇ、パンプスだってことを忘れてたぜ。

さ~て♪
俺は電車内の女たちを観察し始めた。
男の体なら、女の体をジロジロ見ていたら怪しまれるが、今はそんな心配は要らない。
しかも、男の目がないだけあって、女性たちも堂々と寝ていたり、リラックスしたり油断している。

あのコートの女、唇がいいなぁ。
あっちの女は足がきれいだなぁ。
もう!あの唇の女があっちの脚だったらいいのに!!


おっ?
反対側の入り口付近に白くてかる生地が見えた。
セーラー服か。

セーラー服の主は三つ編みの女子中学生だった。
眼鏡を掛けていて、清純で奥手な雰囲気。
右手で手すりをつかみながら、左手で小説を読んでいる。
きれいなうなじだ。

俺はさりげなく、彼女の背後に近づいた。
女子中学生は小説に集中していて、俺に気づいていない。
目の前の彼女の背中は、セーラー服越しに青縞のキャミソールが透けて見える。

その背中に鼻を近づけてみた。
う~ん、甘酸っぱいいい匂いだ♪
しわのほとんどないセーラー服はつやつやしていて、たまらん!!


俺は我慢できずにセーラー服の青いスカートに手を伸ばした。
ここからだとちょうど死角になっていて、座ってる乗客からは見えない。
そして、スカート越しに青いおしりをなでた。
う~ん♪スカートの生地は見た目通りなめらかで、ひだが手に当たるとしわが寄り、征服感を感じる。

「えっ」

女子中学生は振り返って俺を見た。
何が起きたかわからないといった顔をしていた。
俺はニッコリ微笑むと、スカートの裾から手を侵入させ、今度はショーツ越しに円を描くようになで回した。
へへっ、やわらかくて、適度に弾力があって、いいケツしてるなぁ。


「えっ?えっ?」

女子中学生は小説を読むのを止め、俺のほうを振り返りながらおびえている。
へへっ、まさか女性専用車両で痴漢に遭うなんて夢にも思わなかっただろう。
しかも、同じ“女性”に。

俺の口元からよだれが落ちて胸の谷間に落ちた。
手を少し上げると、女子中学生のショーツが見えた。
花柄のショーツはおしりの溝に吸い付くようにヘコんでいる。
くそっ、男の象徴があったら、おしりの溝にこすりつけたいところだが、あいにく今の俺の股には白いフリルしかねぇ。


「や、やめてください…」

彼女は小声でおびえながら精一杯の声をひねり出した。

「いいじゃない、女同士なんだから♪」

そう言って俺はウインクすると、ショーツの前に指を突っ込んだ。

「ひっ、ひぃ!」

へへっ、思ったより濡れてないな。
未成熟で、やわらかくて、ぷにぷにしてるぜ。
女子中学生は窓ガラスにおでこを付け、声を殺している。


ん…?
さすがに他の乗客の視線を感じてきたので、そろそろ痴漢タイムも終わりにするか。
ちょうど駅にも着くしな。

俺は指を抜いてスカートを元通り正してあげた。
そして、耳元で「あなたいいオンナになるわよ♪」と囁いて、彼女のうなじにキスしてあげた。
彼女のうなじには、くっきりピンク色のキスマークが付いていた。

それを見届けると、俺は開いたドアから降りて、マニュキュアに付いた汁をなめた。


短編『奇妙なアイドル』



ボクちゃんは人気アイドル緒方理奈の追っかけだふ。
理奈ちゃんは、ルックス抜群、歌も上手で、頭脳明晰、非の打ちどころのない、今飛ぶ鳥を落とす勢いのトップアイドルだふ☆

ボクちゃんはいつも理奈ちゃんの載ってる雑誌をチェックして、ステージがあれば応援に行って、グッズを買い集めてるだふ。
だから財布は理奈ちゃんのためにすっからかんだふ☆

さらに毎日ラブレターを書いて、家の周りを巡回して、ゴミも調べてあげてるだふ♪
理奈ちゃんのことで頭が一杯で他のことをする暇がないだふ。
だから掃除も洗濯もここ一ヶ月してないだふ。


今、ボクちゃんはテレビ局に来てるだふ。
今夜は理奈ちゃんがステージで歌う音楽番組があるだふ。
ボクちゃんは偽造した社員証でまんまと潜入に成功しただふ♪

テレビ局の廊下を猫背で歩いてると、理奈ちゃんの控え室を見つけただふ。
おそるおそる開けてみたら、中は誰もいなかっただふ。
しめしめ…
ボクちゃんは中に入って部屋の隅に隠しカメラを取り付けただふ。

そこからコードを伸ばして隣の物置部屋に隠れただふ。
中にはテレビカメラとか照明とか機材が置いてあって、たくさんコードが飛び出てたから、ボクちゃんのコードも不自然じゃなかっただふ。


「さあ、理奈ちゃんまだだふかなぁ~」

ボクちゃんはダンボールの影に隠れて、手元の小型モニターから控え室の様子を見ながら理奈ちゃんの帰りをずっと待ってただふ。
遠くからは理奈ちゃんが歌ってる声が聞こえるだふ。
何千回聞いてもいい歌声だふ♪


どのくらい時間が経っただふか。
うつらうつらしてたら

「お疲れ様~」

という声が割と近くから聞こえただふ。
慌ててボクちゃんは身をかがめてモニターをのぞきこんだだふ。
モニターには部屋に帰ってきた理奈ちゃんとプロデューサーが映っていただふ。

理奈ちゃんは白と青のステージ衣装に赤いハイヒール姿であいかわらずとってもかわいいだふ♪
髪を2つの赤いリボンで束ね、ニーソとスカートの間からのぞく健康的な肌がまぶしいだふ。

「理奈ちゃん、今日のステージとってもよかったよ。これで視聴率アップは間違いなしだ」

「ほ、本当ですか?」

「あぁ、これからもがんばってね。期待してるよ」

「ありがとうございます」

ボクちゃんの理奈ちゃんに気安く話しかけるなだふ~!(`ε´)


あいさつ終えると、プロデューサーは出て行って、控え室には理奈ちゃん一人になっただふ。
トップアイドルと二人きり…ハァハァ(*'Д`*)

おっと忘れてた!
ボクちゃんは慌てて録画スイッチを押しただふ。
モニターにははっきり理奈ちゃんが映ってるだふ。

「ふぅ…」

理奈ちゃんはかわいいため息をつくと、スカートに手を掛け始めただふ。
理奈ちゃんの生着替えーー!!(*'Д`*)


「うっ、ううっ…」

すると突然、理奈ちゃんの体が震えて苦しみ始めただふ!
な、何があったんだふか~!?
のどを押さえながらそのままドスン!と床に倒れてしまっただふ!!

こ、これは一大事!!
飛び出しそうとしたら、モニターの中の理奈ちゃんはゆっくり起き上がっただふ。
ふぅ… よかっただふ…

「へへっ、まだ着替えてもらっちゃ困るんだよなぁ」

!?
ボクちゃんは自分の耳をうたがっただふ。
さっきまで清楚な理奈ちゃんが、突然男口調でしゃべり始めただふ!
理奈ちゃんは床にあぐらをかくと、自分の体を見下ろしてニタニタ笑い出しただふ。


アイドル


理奈ちゃんって楽屋ではこんなんだふか!?
ま、まるでいつもとは別人だふ……


「ララララ~♪ やっぱりいい声だなぁ」

自分で歌って自分で喜んでるだふ…
意味不明だふ…

「アイドル衣装って結構体に張り付くなぁ。あちぃぜ。ま、かわいいからいいけど」

理奈ちゃんは衣装の首元を引っ張って、手であおぎ始めただふ。
は、はしたないだふ…


「これがアイドルの胸ねぇ~」

理奈ちゃんはまじまじと自分の胸を見つめて、触り始めただふ。
ゴクリ…
モニターの中で、わしづかみにされた胸がぐりんぐりん踊ってるだふ。

「あんっ! 結構感じるな…」

自分でもんで、自分で喘いで、自分でつぶやいてるだふ…


さらに、いきなり自分のスカートをめくりあげて、白いおパンティ越しに自分の股を触り出しただふ。

「へぇ~ やっぱりついてないんだなぁ」

「ついてないのは生まれつきだふか!!(*'Д`*)」

「誰かいるのか!?」

ししし、しまっだふ!思わず声を出して突っ込んでしまっただふ!!
こここ、ここはうまくごまかすしかないだふ!!
ボクは意を決して飛び出しただふ。


「こ、こんにちは、だふ。ボ、ボクちゃんはスタッフだふ。ちょ、ちょっと機材を取りに来ていたんだふ」

「ふ~ん、なんだか怪しいな」

「(ギクッ!)」

理奈ちゃんはあぐらで床に後ろ手をついて、コンビニ前にたむろしてるヤンキーのような目つきでボクちゃんを見てるだふ。
そ、そんな格好されたら、こっちからおパンツ丸見えだふ…
体中から汗が吹き出てくるだふ…


「ま、誰でもいいや。ちょうど男手が欲しかったんだ。一人遊びじゃ物足りないしな。お前、俺のファンか?」

「ははははい!!大ファンでふ!!」

「じゃあラッキーだな。今から緒方理奈とやらせてやるよ」

「え!?」

そう言うと理奈ちゃんは、あぐらのまま床をすべってボクちゃんに近づいてきただふ。
そして、ボクちゃんのジーパンのチャックに手を掛けて思いっきり下ろしてきただふ!

「な、なにするんだふか!?」

「なんだお前童貞か?なかなかいい竿してんじゃないか。俺のよりは小さいけどな」

目の前で理奈ちゃんがボ、ボクちゃんの大事なモノをまじまじと見つめてるだふ…
こ、これは夢だふかー!?(*'Д`*)


理奈ちゃんはボクちゃんの大事なモノをくわえはじめただふ。

「く、くすぐったいだふ!」

「だふほひはひえほ(出す時は言えよ)」

す、すごいだふ…目の前でいつもテレビやステージで観てる理奈ちゃんが、かわいい顔の嫌らしい目つきでボクちゃんの大事なモノをくわえてるだふ…

「んっ、んん…」

理奈ちゃんは舌を使って、ボクちゃんの筋をなめはじめただふ。
あっ…そんなことされたら…もう我慢できないだふ~~!!

「げほっ!げほっ!出す時は言えって言っただろ!!」

「ご、ごめんだふ…」

理奈ちゃんがボクちゃんのチルドレンで顔を真っ白にしながら、怒鳴っただふ。
その姿がまたそそるだふ…


「ま、いいや」

理奈ちゃんはそう言って立ち上がると、パンティを片足脱ぎ、壁に右手と右足をついて股を広げただふ。

「な、なにしてるんだふか!?」

「言っただろ。緒方理奈とやらせてやるって」

う、うれしいだふけど、理奈ちゃんってこんなに軽い女だったんだふかー!?(*'Д`*)


「さぁ、来いよ」

「は、はいだふ…」

ボクちゃんはジーパンを脱いで、理奈ちゃんの細い腰に手を回しただふ。

「痛てぇ!そんな強くつかんだら痛いだろ!俺は女なんだぞ!!」

「ご、ごめんだふ…」

「女ってのはもっとやさしく扱うもんだ。さ、ここにぶっぱなせ」

そう言って理奈ちゃんは片手で自分のスカートをめくりあげただふ。

「は、はいだふ…」

ボクちゃんは大きくなってビンビンしてる大事なモノを理奈ちゃんの中に入れただふ。


「うっ…あぃ!結構いてぇなぁ…」

理奈ちゃんは片目を閉じて歯を食いしばってるだふ。

「だ、大丈夫だふか?」

「どうでもいいからさっさと最後まで入れろよ!」

「は、はいだふ…」

ボクの大事なモノが理奈ちゃんの中にスッポリ収まっただふ。
す、すごい密着感だふ…

「うっ…あっ…なかなかきついぜ」

理奈ちゃんは壁に手をついてうつむきながら苦しんでるだふ。
長い髪がボクちゃんの体に当たって、いい匂いがしてコーフンが増すだふ。

「よし、そのまま腰を動かせ」

ボクちゃんは理奈ちゃんに言われた通り、腰を振り始めただふ。

「あっ!あっ!あぁん!!」

腰を動かすたびに理奈ちゃんが淫らな声をあげるだふ。
髪は揺れ、スカートは乱れ、吐息がボクちゃんの耳たぶまで伝わってきただふ。
大好きなアイドルを独り占めしてると思うと、だんだんコーフンしてきただふ!
スピードアップだふ!!

「あっ!ああん!ああぁん!!」

「す、すごい!すごいだふ!!」

「あああぁぁぁぁん!!!!!」


ボクちゃんのチルドレンが広がっただふ。

「ハァハァ…」

理奈ちゃんは体中汗だくで息を切らしてるだふ。

「や、やればできるじゃねぇか… 気持ちよかったぜ… た、頼みがある」

「なんだふ?」

「腰に力が入らねんだ… 下ろしてくれるか?」

「お、おう!だふ」


ボクちゃんは理奈ちゃんの体を支えて、床に下ろしてあげただふ。
理奈ちゃんは壁に背をもたれて、天井をあおいだだふ。

「へへっ、これはみやげだ。やるよ」

そう言って理奈ちゃんは左足のひざにくっついていたパンティを脱いで投げつけただふ。

「ハァハァ…もう充分楽しんだだろ。よし、じゃあ俺はそろそろ抜けるからな。お前ももう帰ったほうがいいぞ」

「は、はいだふ!」

ボクちゃんは慌ててパンティをポケットに突っ込んで、カメラを回収して逃げるようにテレビ局から出ただふ。


それ以来、ボクちゃんは理奈ちゃんの追っかけをやめただふ。
テレビに理奈ちゃんが映ってるとあの日のことを思い出して、アイドルの姿がウソに思えて、テレビを消すようになっただふ。

今でもあの日の理奈ちゃんはまるで別人のようで、夢だったんじゃないかと思う時があるだふ。
でも、この引き出しの中にあるパンティとビデオカメラに残ってる映像が、夢じゃないことを教えてくれるだふ…



(短編『奇妙なアイドル』 おわり)

『憑依警察24時』 その3



呼び出し音を聞いて、杉川が動き出した。
ホールを出て、こちらに近づいてくる。
俺にはその一歩一歩がとても長い時間に思えた。

ふと、家族の顔が浮かんだ。
やさしい妻とかわいい娘。
家族には俺が憑依刑事ということは隠して、普通の刑事ということにしている。

ほんとは今日は5才になる娘の誕生日なのだ。
早く家に帰って一緒に祝いたいのだが…こんな日に限って犯人が現れるとは…
娘のためにも、街のためにも、早く杉川を捕まえなければ……


「ご注文をお伺いします」

俺のテーブルにウェイトレス姿の杉川がやってきた。
なまじかわいいだけに、かわいさ余って憎さ百倍だ。
俺は悟られないようにメニューに目を落とした。

「ハンバーグセットをお願いします」

「はい、ハンバーグセットですね」

杉川は手に持った端末にオーダーを打ち込もうとする。
今だ!!
俺は素早く立ち上がると同時に、パンツスーツのポケットから憑依手錠を取り出し、杉川の腕に振り下ろした。

だが、憑依手錠は空を切った。
しまった!!
あせり過ぎて、杉川に身を引かれ、かわされてしまった。
勘付いた杉川は、俺の腕を振り払い、振り向いて逃げ出した。


「野郎!!」

後ろの客席に構えていた女子高生の荒木が飛び出した。
店内は騒然となる。
荒木は客席に登り、パンチラも気にせず、コーナー上のプロレスラーのごとく、空中からタックルをかました。
杉川は床に倒れた。
やったか!?

「お前を逮捕する!!」

荒木は女子高生バックから憑依手錠を取り出し、杉川にかけた。

「えっ…あ、あなた誰ですか!?」

杉川は目を白黒させている。
まさか!!

俺と荒木は同時に空中を見上げた。
そこには、ちょうど窓をすり抜け、外に逃げ出そうとする幽体の杉川がいた。

「ちくしょう!!」

俺たちも幽体離脱して外に飛び出した。


夜の街に飛び出した杉川は、OL→タクシー運転手→風俗嬢→老人→女児…と次々に体を乗り換え、逃走していく。

俺もそれを追い、サラリーマン→トラック運転手→客引き→老婆→女児の母親…と次々と近くの人間の体を借りていった。

街の中で、はたから見たら奇妙なデッドヒートが繰り広げられた。