短編『潜入!中学生女子モデル!!』



俺の名前は金無 満(28)。
長年勤めていた会社をリストラされ、今は工事現場の仕事で食いつないでいる。
仕事はハードだし、給料は安いし、新入りだから年下からアゴでこき使われるし、人生いいことなしだ。

まぁ、いい。
せっかくの休みの日に仕事のことを考えても気が滅入るだけだ。
久しぶりの休みなので出掛けたいが、体は疲れてるし、外は寒い。
こういう時は幽体離脱して出掛けるに限る。

俺は四畳のたたみに大の字で寝転がり、「体から抜けたい」と強く願った。
ふわっと体が浮き上がり、眼下に寝ている自分の姿が見えた。
よし、幽体離脱成功だ。


俺はオンボロアパートの壁をすり抜け、外に出た。
街にはそれぞれ人が歩いていた。
学生、サラリーマン、OL、子供、老人…

昔は道端で美人を見つけると「おっ♪」と思っていたものだが、最近は歩くたびに美人を見つける。
あきらかに10年ぐらい前と比べて女性の美のレベルが上がっている。
いいなぁ、女は好きな格好ができて…


俺は地面スレスレまで降りると、あお向けになり、そのまま体をすべらせた。

「ひゃほうううぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!」

止まるまでに何人かの女性のスカートの中が見えた。
へへっ、あのOL、清楚な見た目なのに意外と大胆な下着はいてるんだな。
そろそろ誰かに乗り移るか。



いい体を探して、幽体で空中散歩していると、公園の池のほとりで人が集まってるのを見つけた。
なんだ?行ってみよう。

「はい、いいよ~ そのままちょっと右を向いて~」

パシャ! パシャ! とシャッター音が響き渡る。
数名のかわいい女の子たちを、カメラマン、照明など、機材を持った男たちが囲んでいた。
雑誌か何かの撮影か。

少し離れたところに、眼鏡を掛けたジーンズ姿の女性が立っていた。
編集者っぽいな。
手には何か紙を持ってる。

「どれどれ…」

俺は接近してのぞいてみた。

『中学生女子 春の放課後愛されコーデ♪』

原稿の中央にそう大きく書かれていた。
なるほど、中学生向けファッション雑誌の撮影か。

それにしても中学生女子…?
女子中学生ならわかるが…
今流行りの”女子”を全面に出して若さをアピールするってやつか。
賛否はともかく、たしかに「女子中学生」より「中学生女子」のほうがくだけた感じがするもんな。


正面を向き直すと、かわいい女の子たちが華やかな服を着て、楽しそうに様々なポーズを取っていた。
中学生というと、14才ぐらい…ちょうど俺の半分か。
いいなぁ。

きっと楽しい高校生活を送って、大学で彼氏作って、美人だからいい会社に就職できるんだろう…
俺は彼女たちが成長し、リクルートスーツを着て面接を受けるところを想像してみた。
俺が社長だったら、こんなかわいい子たち一発で合格だ!!

俺の人生は折り返し地点を過ぎてお先真っ暗だっていうのに、彼女たちの人生はまだその半分もいってないのにバラ色で…
彼女たちが華やかな衣装に身を包んで華麗に舞っている時、俺はヘルメットと作業着を着て重い荷物を運んでいる…
まったく対極だ…

どうせ彼女たちはこれからバラ色の人生を歩むんだ。
だったら、恵まれない俺がその数万分の一ぐらいの時間を借りても神様は許してくれるよな。


「よ~し、そろそろ休憩にしようか」

あごひげを生やした業界人っぽいカメラマンの男がそう声をかけた。
中学生モデルたちはそれぞれ思い思いに散っていく。
俺は彼女たちに近づいた。

さ~て 誰に乗り移ろうかなぁ♪
茶髪のロングヘアーのミニスカートの子、ウェーブのかかった髪のフェミニンな子。
ヘヘヘ… よりどりみどりだ♪

「はるかちゃん、はいどうぞ」

そう言ってロングヘアーの子が、ウェーブのかかった髪の子に紙コップを渡した。

「ありがとう、ゆづきちゃん」

ゆづきちゃんとはるかちゃんって言うのか。
どっちもかわいいなぁ。
でも、どちらかっていうとはるかちゃんのほうがタイプだなぁ。

俺ははるかちゃんに乗り移ろうとしたが、ちょうど飲み物を飲んでいた。
今乗り移れば、衝撃で飲み物をこぼしてしまう。
俺はそのまま様子を見ていた。
両手で紙コップをつかんで小さな口ですする姿が小動物のようで愛らしかった。
早く飲み終わってくれよお嬢ちゃん♪


一分ぐらい経ったか。
ようやくはるかちゃんは飲み終わり、紙コップを近くの折り畳み式テーブルに置いた。
よし、ようやく心置きなく乗り移れるぞ。
俺は彼女の体に飛び込んだ。

「きゃっ!」

とはるかちゃんの声がした刹那、生身の肉体の感覚が戻ってきた。
自分の体を見下ろすと、ピンクのドレス風のワンピースに、空色のカーディガンを着ていた。



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耳元から肩にかけてウェーブのかかった茶色の髪が揺れている。
足元はヒールの高いストラップサンダルをはいていて、やや立ちにくかった。

「どうしたの?」

ゆづきちゃんが心配して俺の顔をのぞきこんできた。
一瞬ドキッ!とした。
目と鼻の先にパッチリメイクをした中学生女子の顔があったからだ。

「だ、大丈夫だよ」

「よかったぁ。はるかちゃんに何事もなくて」

俺のことを心配してくれたのか…
中学生女子に心配されるなんて中学生以来だ…
よ~し…


俺は右腕を伸ばし、ゆづきちゃんの肩に手を回した。



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「えっ、どうしたの?」

突然の出来事にゆづきちゃんは口を大きく開けて驚いている。

「ゆづきちゃんってかわいいね♪」

俺は天使のような声でそう言った。

「そ、そんなことないよ。はるかちゃんのほうがかわいいよ」

「かわいいなぁ。ケツにこすりつけてぇ」

「け、けつにこす…?」

「ううん、なんでもないこっちの話☆」

くそぅ、こういう時に股に何にも付いてないのは不便だな。
男の体だと、女性の体にベタベタ触わると、警察のお世話になる。
女の体だと、女性の体にベタベタ触れるが、股の武器は無い。
一長一短だな。


ふと視線を下に向けると、俺のワンピースの裾の向かいにゆづきちゃんの赤いミニスカートが揺れていた。
すそから見えるふとももはみずみずしくて健康的だった。
小学生のあどけなさと高校生の大人に登る階段へのちょうど中間の絶妙な体つき。
体は女でも、心は興奮してきた。

俺はゆづきちゃんのほうに体を寄せ、右ひざを立てた。
ちょうどヒールの高いストラップサンダルをはいていたので、つま先に重心をかけやすく、右ひざをうまく立てることができた。
ひざに当たるつるつるすべすべしたピンク色のワンピースの生地が心地よい。

そして俺はひざをゆづきちゃんのふとももにこすりつけた。



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「ちょ、ちょっと!はるかちゃん!?」

ゆづきちゃんは思いっきり動揺していた。
スカート同士がこすれ合う布音。
すべすべしてて気持ちいい♪
相手も女なら自分も女だなんて最高だ☆

俺は顔を寄せ、耳を甘噛みした。

「えっ!?えっ!?」

戸惑うゆづきちゃんをよそに、背後に回り込み、両手でロングヘアーをかき分けて、うなじに顔をうずめた。
う~ん いい匂い♪
女の子の甘酸っぱい匂いがする。

「ど、どうしちゃったのはるかちゃん!?」

「う~~ん♪」


「じゃあそろそろ再開しようか~」

カメラマンの声が響き渡った。

「は、はるかちゃん、行かないと怒られちゃうよ」

「や~だ~ ずっとこうしていた~い♪」

俺の口から自分でも驚くぐらい甘えた声が出た。

「ダ、ダメだよ! じゃ、じゃあ私先に行くよ」

そう言ってゆづきちゃんは半ば俺を振り払うようにして駆けて行った。

チッ まあしょうがないか。
いっぱい女の子の甘酸っぱい匂いをすえたのでよしとしよう。
俺はズズーッと音を立てて思いっきり鼻をすすった。

俺はかがんでワンピースの裾を引っ張り、正した。
そして、両手を首筋に入れ、ふわっと髪をあげてみた。
甘いシャンプーの匂いが辺りに舞った。
一度やってみたかったんだよなぁこのしぐさ♪


正面を見ると、かわいい中学生女子たちが手をつないだり楽しそうに撮影の準備をしていた。
さ~て、今から俺もあの輪の中に加わるか。
俺はニンマリと微笑むと、脇を閉じて両手を左右に広げ、女の子走りで輪の中に向かった。




(短編『潜入!中学生女子モデル!!』 おしまい)

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