短編『エステ』



(加工可能なフリーイラスト集を買ったので、妄想を作ってみました)





俺は幽体離脱して空中散歩していた。

「さ~て、誰に乗り移ろうかな~♪ あの看護婦かわいいなぁ~ ナース服にクリーム色のカーディガンを羽織ってる姿はそそられる♪ あれはOLかなぁ学生かなぁ? 黒タイツに赤いハイヒールでズンズン進んでいる。かなりの美脚だけどあの子に乗り移ったら歩くの大変そうだなぁ。」

ぷかぷかと空中から地上の人間を観察しながら、贅沢な悩みをつぶやいてみる。


ずっと下を見るのも飽きてきたので、ふと顔を上げると、とある雑居ビルの4階に女の動く影が見えた。
あそこはなんの店だ?
よし、行ってみよう!!


「セコムに通報されないよな…」

俺はおそるおそる窓ガラスをすり抜け、中に入った。


「おっ!女が裸で寝てる!!」

そこは青い床と白い壁に囲まれたフロアで、白いシーツのベッドに裸の女が横たわり、その女の顔を黄色い服を着た女がすべすべとなでていた。
なるほど、ここはエステサロンか。



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へ~ 今は男もエステに行く時代と聞くが、俺はエステなんて一回も行ったことがない。
おしゃれなヤシの木風の観葉植物が飾られ、台の上には色とりどりのビンやクリーム、それに見たことのない器具が置いてあった。
エステってこうなってたのか~

俺は側に近寄ってみた。
おだんご頭の店員の女が、客の女の耳の裏に手を入れ、器用にマッサージしていた。
客の女は気持ち良さそうに目を閉じている。


しばらくその様子を眺めていたが、このままじっとしていても仕方ないので、他に何かないか辺りを見渡すと、ベッドを横に5mほど行ったところが、病院の病室のようにカーテンで仕切られているのに気づいた。
あっちには何があるんだろう?
俺はカーテンをすり抜け、奥に進んでみた。

そこにはもう一台ベッドがあり、うつぶせで客の女が寝ていた。
その背中を青い制服を着た店員が目を閉じて丹念にマッサージしている。



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「あっ!あの女、横乳が見えてる!!」

客の女の横乳が丸見えだった。
だが、まったく気に留めている様子はない。
客も店員も全員女だからすっかり安心しきっているのだろう。


「このオイルはお肌をすっべすべにする効果があるんです。こうやって手の平で温めて伸ばしてー」

そう言って店員が指先で客の肩をこするたび、キュッキュッと音がし、サワサワと少しだけシーツがこすれる音がした。
それがなんともセクシーだった。


いいなぁ、女の肌触り放題で…

でも、うらやましがる必要はない。
俺があの店員に乗り移れば、今度は俺が触り放題だからな♪
よ~し、あの店員に乗り移っちゃお♪


俺はスケート選手のように優雅に空中を滑空し、店員の背後に回り込んだ。
客ばかりに目が行っていて気づかなかったが、この店員も客に劣らずかわいいじゃないか。
背筋は女性らしい曲線を描いていて、青いリボンで束ねられた栗色の髪の下にはきれいなうなじも見えた。
この背中やうなじが今から自分の物になると思うと、かなりコーフンしてきた。
生身だったら確実に勃っていただろう。


「では、お邪魔しま~す♪」

俺は彼女の背中に飛び込んだ。



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ビクッ!!と彼女の体が前後に大きく揺れ、彼女の手の動きが止まった。
その間に脚、胴、腕、顔と、次々に自分の幽体と重ね合わせていく。
やがて、地面に立っている感覚――肉体の感覚――が戻ってきた。
ゆっくり目を開けると、目の前に裸の女が寝そべっていた。

「よし、憑依成功だ♪」



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さ~て、まずは何をしようかな~♪
乗り移るまではあれこれをやろうといろいろ妄想していても、実際乗り移ってみると選択肢に困る。
かといってボーッとつっ立っていれば客に怪しまれるし…

とりあえず俺はさっきの店員の見よう見まねで、手を動かしてみた。
傷一つない乳白色のきれいな指で、目の前の女の肩にオイルを塗り込んでいく。
手が小さくなっているので小回りが効いてやりやすかった。
手前をこする時は自分の胸が影になってやや見づらかった。


「どうですか? 気持ちいいですか~?」

俺は店員になりすまし、甘い口調で客に聞いてみた。

「えぇ、とっても気持ちいいです」

口が枕にうずもれているせいで、ぼんやり濁った返事が聞こえた。
へへっ、どうやら俺を完全に店員だと思い込んでるようだ。

もし俺が本来の体だったら、とっくに客の女に「きゃ~!変態~!!」と悲鳴をあげられ、御用になっていただろう。
だが、今俺はエステサロンの店員だから、客と同じ女だから、女の裸を触ってもセクハラで訴えられることはないし、むしろ感謝される。


俺は手を少しずつ下げて行き、今度は背中をなで始めた。
くびれのところがくぼみになっていて、何かこうツルツルした流線型の家電を触っているような気持ちよさを覚えた。
おしりから下は布団がかかっていて見えなかったが、この上半身からすれば桃色のぷりっぷりっのいいケツであることは間違いないだろう。

この客は普段は何をしているのだろうか?
俺は客のくびれをなでながら、ふと思った。

年は26~28ぐらいに見える。
この店員と同じぐらいだろう。
髪はブラウンで長く、枕にしっとりと垂れていた。
ここから見える枕に頬を付けた横顔からでも、美人だということがよくわかった。

こういうのは聞いてみるのがてっとり早いか。


「お仕事のほうはどうですか~?」

俺は店員になりすまして聞いてみた。

「えぇ、変わりないですよー」

話によると、彼女はデパートの1階で化粧品の販売員をやってるらしい。
なるほど、たしかに言われてみれば礼儀正しく清楚に接客してそうな雰囲気がある。
普段は今の俺みたいに髪を頭の上で結って、黒か紺のタイトスカートにジャケットを着て、化粧品を解説しているのであろう。



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俺は普段ブラジャーの肩ひもで締め付けられているであろう彼女の背中の部分をなでてみた。
触り心地は別に他の部分となんら変わらなかったが、普段は隠していて男には絶対見せないであろう部分を俺だけが堂々と触れると思うと、特権階級になったような優越感を覚えた。

他にも彼女の手は女子更衣室のロッカーに触れたことあるだろうし、彼女のおしりは女子トイレの便座に座ったことがあるだろう。
女湯にも入ったことあるだろうし、女同士で触りっこしたこともあるかもしれない。
そう思うと、股間からじわっと熱いモノがこみ上げてきた。


よし、誰も見てないな…

カーテンの向こうには黄色い服を着た店員と客が一組いるのはわかっているが、こっちにきそうな気配はない。
背後にはおそらく事務所に続くであろうドアがあるが、開く様子はなかった。
目の前の客の女も枕に横顔をつけ、目を閉じてすっかりリラックスし、半分寝ているような状態なので気づくことはないだろう。

俺は右手で彼女の背中をこすりながら、左手でそっと自分の胸をもんでみた。
「アッ!」と思わず声が出そうになるのをこらえた。
ブラのワイヤーの感触がする。
だが、ワイヤーの向こうに確実に自分の乳首があるのを感じた。

ブラをしてるので大きな快感はないが、むしろ断続的に続く小さな快感のほうが都合良かった。
もし大きな快感が来たら声が漏れて気づかれていたかもしれない。
俺は小さく「はん…」「ふん…」と漏れそうな声を殺しながら一人遊びを続けた。


今度は手を替え、左手で客の背中をこすりながら、右手で自分のスカートをまくり、ショーツの中に手を突っ込んだ。
すでに俺の股間はびしゃびしゃに濡れていた。
俺はその汁をきれいな指先ですくい取った。

手を開くとねばねばした汁が水かきのように指の間に糸を引いていた。
俺は人さし指についた汁をなめてみた。
特に味はしなかったが、自分で自分の汁をなめるという倒錯感に酔った。


こういう時ついてないってのは不便だな…

自分のツルツルとした股間をなでながらそう思った。
もし俺が本来の体だったら、彼女に馬乗りになり、股間のブツを彼女の背中にこすりつけていただろう。

「本当にきれいなお肌ですね~♪」

「いえ、そんなことないですよー」

「もし私が男だったら襲っちゃってましたよ♪」

「もう佐野さんったら… 変な冗談を」

冗談じゃなくて本気なんだけどな~
そういえば俺、佐野さんって言うのか。
自分の左胸の上にあるネームプレートを見ると、たしかに“佐野 志穂子”と書かれていた。



「次はあお向けになってくださ~い」

俺は佐野さんのフリをして命令した。

「はい」

くびれが俺の前で回転していく。

「ウホッ!」

俺は思わず口をとがらせた。
女の生乳が目に飛び込んできたからだ。
洋梨のようにぷっくらとふくらんでいる。
女ってブラつけてないとこんな風に垂れているんだなぁ。

客の女は目を閉じて、完全に俺に体を預けている。
ここまで無防備だとかえって心配になるぐらいだ。
男がいないと女ってここまで無防備になれるんだなぁ。


さてと…

俺は両手を女の首元に当てた。
両手に出っ張ってる骨の感触がした。
その周辺をサワサワとなで、手に付いた自分の女汁をぬりこんでいった。

「これは新しいオイルなんですよー♪」

「へぇ~ なんだかねばねばしてますね」

へへっ♪ 女が女の裸体に女汁をぬりこんでいる。
常識じゃ考えられないアンビリバボーな光景。


そして、そのまま手を下へと降ろしていく。
ついに指が乳房に当たった。
一瞬、女のまゆげがピクッと動いたのを見逃さなかった。
感じているのだろう。

俺はそのまま乳房を両手で軽くつかんでもんでみた。
ぷにゅぷにゅとやわらかい感触が伝わってきた。
さっき自分の胸をブラ越しに揉んだので、その感触の違いを強く感じた。
やっぱりビールもおっぱいも生に限る♪


「んっ、んんっ…」

女の口から小さい声が漏れ出した。
眉間にしわが寄っている。
これもマッサージの一貫だと思って我慢してるのだろう。
ならば…

俺は両指で同時に女の乳首をつまんだ。

「あぁっ!」

ついに女ははっきりと聞き取れる声を出した。

「お客様、大きな声は他のお客様のご迷惑になるのでご遠慮ください♪」

俺はそう言い放つと、にっこり微笑みもう一度さっきより強く乳首をつまんだ。

「あぁん!!」

女は反り返り、さっきより大きな声を出した。

「お客様、大きな声はご遠慮ください」

「そんなこと言われたってそこは関係ないでしょ…」

女は目を開けて俺に抗議した。

「いいえ、女性にとって乳首は大切なものなのですよ。男の人もよく見てますよ」

「はぁ…」

男の人っていうのは俺のことだけどな。


あんまり強引にすると長く楽しめなくなるので、俺は手を乳房から離し、今度はおなかに置いた。
元のペースに戻ったと思って安心したのか、女は再び目を閉じて体の力を抜いた。
今、俺は親指と人さし指を合わせ、彼女のおへその周りをなでている。
おへそもキュッと引き締まっていてそそられる。

俺はやさしくなでながら手を下にスライドさせていった。
ほっそりしたくびれのお次は、横に広がった骨盤だ。
ここに毎日ショーツが引っかかってると思うと、自分のショーツもじわじわ濡れてきた。
手は下へ、下へ、ついにデリケートゾーンに突入した。

「えっ!そこは…」

女は気づいたようだが、もう遅い。
俺は人さし指を秘密の花園に突っ込んだ。


「はぁん!!」

女は大きな喘ぎ声を上げ、大きくのけぞった。
俺は構わず指を奥へ侵入させていった。
思ったより自分の指が細かったので、二本入れても良かったかもしれない。

「や、やめてください!!」

女は俺の手をつかみ引き抜こうとしたが、それがかえって俺の指を揺らし、彼女の感じるところを刺激した。

「あぁん!!」

女は再び大きな声をあげた。
ぐへへ… たまんねぇな…
あごに生温い感触がした。
どうやら口元からよだれが垂れていたようだ。



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「どうしたんですか!?」

隣のカーテンが開き、血相を変えて黄色い服を着た店員が飛んできた。

「た、たすけて!!」

客の女は声をしぼり出すようにして助けを求めた。

「何やってんですか佐野さん!!」

店員の女は俺に向かって怒鳴った。

「へへっ、いいじゃないか別に減るもんじゃないし♪」

客の女の顔は真っ赤に火照り、アソコはびしょびしょに濡れていた。
カーテンの奥には目を白黒させて驚いている隣の客の姿が見えた。

「ふざけるのもいい加減にしなさい!!」

店員は両手で俺の手をつかんで引っ張った。
さすがに俺もその勢いと気迫に負け、穴から指が抜けた。


「ちぇっ、せっかくいいところだったのに…」

「あなた自分が何をしたかわかってるの!?」

「うっせぇなぁ。そんなに怒るとせっかくの美人が台無しだぜ」

そう言って俺は目の前の店員の胸をわしづかみした。

「あぁん! ちょっと…いい加減にしなさい!!」

顔は怒ってるが、首から下は快感で力が抜けているギャップがおもしろかった。


「どうしたんですか!?」

騒ぎを聞きつけ、背後のドアが開き、事務所から40代ぐらいと60代ぐらいの女性が出てきた。
俺と同じ制服を着ている。
多分この店員たちの上司だろう。

「あぁ、なんてこと…」

60代のばあさん店員は口に手を当て、俺の作り出した惨状を嘆いていた。
ツンツン眼鏡をかけた性格のきつそうなおかっぱの40代店員は、何が起こったかわからず石像のように硬直していた。

もう結構楽しんだし、そろそろ潮時か。
俺は佐野さんの体から抜けた。


ガクッと佐野さんはその場に崩れた。
だが、数秒後に意識を取り戻した。

「…あれ 私一体…?」

佐野さんは頭を押さえながらしばらくぼんやりしていたが、やがて目の前の、両手で顔を覆い泣き崩れている自分の客に気づいたようだ。

「どうされたんですかお客様!?」

心配した佐野さんが手を伸ばした。

「イヤッ!来ないで!!」

だが、その手は拒絶反応で払われてしまった。

「どうしてこんなことに…」

佐野さんは状況がつかめず唖然としている。

「聞きたいのはこっちのほうよ!!」

黄色い服を着たお団子頭の店員が佐野さんを怒鳴りつけた。

「えっ…」

佐野さんはわけがわからず繊細なまつげの目をパチパチさせていた。
まさか自分が変態の権化と化して客を襲ったなんて夢にも思ってないだろう。


ちょっとやりすぎたかな…
ま、いいか♪

「さ~て、次は誰に乗り移ろうかなぁ~♪」

俺は窓をすり抜け、再び街中へ向かって飛んでいった。


(短編『エステ』おわり)



コメント

No title

私は好きです。
tiraさんの小説(エステサロンはハーブの香り)を思い浮かべました。

No title

>チッラさん
どうもありがとうございます(^_^)
あ、言われてみればたしかに(^^;)
Tiraさんの作品は過去にかなり読み込んだので、自分でも気付かない無意識のレベルで多大な影響を受けてますm(_ _)m

No title

そちらは無事ですか?

>チッラさん
ご心配ありがとうございます。
こちらは被害はありません。
でも、被害にあわれた方々のことを思うと心が痛みます・・・
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