『ウェイトレスへようこそ!!(後編)』



スカートのひだ一枚一枚が僕の鼻先をくすぐる。
さっきまで絶対領域を覆っていた部分が今は僕の顔を覆っている。
僕はスカートを顔に押しつけ、匂いと温もりと歴史を顔全体で吸った。

いわばこのスカートのひだは樹木の年輪のようなものだ。
一つ一つにこの子の歴史が刻まれている。
病院で生まれ、両親に抱かれ、幼稚園に通い、赤いランドセルを背負い、セーラー服に身を包み、そして今はウェイトレスの制服に身を包んでいる。

彼女が十八年間守り続けてきたこの体・・・。
毎日お風呂で丹念に体や髪を洗い、毎日欠かさず化粧水や乳液で肌のお手入れをし、ストレッチやジョギングなどの運動でスタイルを維持してきただろうこの体・・・
その体を今僕は自由に操作できる。

憑依とは麻薬のようなものである。
一度その蜜の味を覚えると、なかなか抜け出せない。
本来人間は自分にしかなれない。
しかし、憑依を使えば、自分は他者になれる。
本来越えることができない自我の壁を越え、発狂してしまう人もいるらしい。

でも、今なら僕にもその気持ちがわかる。
こんなすごい能力を手にすると、なんでもできちゃうような、そんな全能感に酔ってしまう。
本来自分の体では絶対にできないことが拍子抜けするぐらい簡単にできてしまう。


スカートを頭からはがし、頭を軽く振って邪魔な髪の毛を払いのけると、鏡にはパンツ丸見えのウェイトレスの姿が映し出されていた。
イメージ通り、純粋な純白のパンツだった。
少したるんでるのがリアルで良かった。
欲望に導かれるまま、手が自然にそこに伸びる。


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やわらかい触感。
本当に何もついてないことを実感させられる。
くしゅくしゅした生地と、そこから伝わるぬくもりがリアルだった。

「グフフ・・・」

そのまま右手をパンツの中に忍ばせながら、左手で自分の胸を揉み出した。


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「あっ・・・///」

僕の口から普段は絶対聞けない彼女のセクシーな喘ぎ声が漏れる。
パンツに指を入れた瞬間、むわっとパンツの中に溜まっていた空気が飛び出し、清涼感を覚えた。
指が細く長いので、すぐにパンツの中の秘密の花園に到達した。
すでに少し濡れていた。

「んっ・・・」

そのまま人差し指と中指を使って花園内の穴の中へ・・・
一方、左手で強引に胸パッドをはがすと、ぷりんっと桃色の乳首が現れ、上下に揺れた。
思わず前屈みになってしまう。

すごい・・・女の子の体ってやっぱり男と全然違うや・・・

乳首と穴の中を同時につまんでみた。

「あぁ!!」

体に電流が走ったような快感がきた。
す、すごい・・・
生々しい感覚。
じわっと股はさらに濡れ、桃色の乳首はさらに濃くなった。
それを体を揺らしながら何度も繰り返す。

「ふ、ふわぁぁぁ・・・」

体中を快感が支配する。
体の神経全部が敏感になり、どこを触られても感じるぐらいだ。
男の比じゃない。

自分の体を見下ろすと、ぷっくらふくらんだ胸が小刻みに揺れ、そこからはがれたリンゴの皮のように胸パッドが揺れていた。
右手は純白のパンツにつっこまれ、その横では腰回りのフリルが主の豹変ぶりに動揺しているかのように揺れている。

「あああぁぁぁっっっ!!!」

ついに僕はイッってしまった。
股と胸がジンジンする。
体が熱い。
頭から氷水を掛けて欲しいぐらいだ。
僕はその場にひざまづいた。

「ハァハァ・・・」

僕の口からかわいい吐息が聞こえる。
僕は本当にウェイトレスの体でイッってしまった・・・
会ってまだ15分と経ってないウェイトレスの体で・・・



どのくらい時間が経っただろうか。
おそらく2、3分くらいだろう。
火照った体を冷やしていたら、僕の頭にも冷静さが戻ってきた。
あんまり長時間ここにいると、さすがに怪しまれるだろう。
とりあえずホールに戻ろう。

僕はやわらかい胸を側面からすくい上げ、はがれた胸パッドの中に元に戻し、髪を整えた。
ずり下がったニーソックスを引き上げ、制服の裾を引っ張ってしわを戻し、鏡の前で営業スマイルで微笑み、おかしいところがないかチェックする。
よし、大丈夫だ。

あとはスカートを履くだけと、床に落ちた緑色のスカートを拾おうとした時、いいことを思いついた。

スカートを履かずにホールに戻ってみようかなぁ・・・

この店の制服は腰からひざに掛けて長いレースが伸びていて、それがスカートのようになっていた。
だから正面だけトレイで隠してしまえば、あたかもスカートをはいているように見える。
よし、ちょっとドキドキするけど、僕はトレイで前を隠してホールに戻ってみた。


ホールはさっきと変わっていなかった。
サラリーマン二人組はあいかわらず商談中だし、パフェを注文した母娘は子供がパフェを食べるスピードが遅く、母親が手伝っていた。
自分の本体の座っているテーブルを見ると、イスの背もたれにだらんと首を置き、口をポカンと開けてバカ顔で気絶している。

カランコロン

その時、ちょうど入り口のベルが鳴り、若いカップルが入ってきた。
男の方は黒いジャケットにジーンズでバイクに乗ってそうな雰囲気。
女の方はエスニックな淡い茶色いワンピースで、どこにでもいそうな普通のカップルだった。
すぐに早歩きでレジの前に向かう。

「いらっしゃいませ」


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僕は自分が受けた時と同じように、見よう見真似でやってみた。

「おたばこはお吸いになられますか?」

「いや、吸わないけど」

男のほうがそう言った。

「それではあちらの席へどうぞ」

右手を曲げ、決めポーズをする。
カップルはちょっと不思議そうな目で僕を見ていたが、どうやら僕が履いてないことには気づいていないようだ。
正面からだとやっぱりバレないみたいだなぁ。


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一安心してレジからカップルを目で追うと、二人は母娘のテーブルを曲がり、僕の席のほうへ向かっている。
僕の席!?
ま、まずい!!
僕は慌ててカップルを追いかけた。

「す、すいませんお客様!こちらの席でよろしいでしょうか?」

「う、うん、どこでもいいけど」

ふぅ、カップルは僕の慌てた様子に驚いていたけど、なんとか僕の席の近くに座るのを阻止することに成功した。

「それでは、ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」

怪しまれないように満面の笑みで微笑んでみせる。

「あの~ まだメニューが来てないんですけど・・・」

「こ、これは失礼しました!」

僕は慌てて仕切りで区切られた従業員スペースに行き、メニューと水を準備した。
だけど、トレイに乗せようとした時、重大なことに気づいた。
トレイを使うことはできない・・・
つまり片手しか使うことができず、メニュー、水、水と、テーブルと従業員スペースを計3回往復することになった。

カップルはやや怪訝な顔をしていた。
男の方の視線は痛くないが、女の方の視線は痛い。
女の子同士って普段は否定的な視線を差し向けたりしないから、女の子のちらちら気を遣って見るような視線が心に刺さった。


「それでは、ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」

改めてその台詞を言い、一直線に自分の本体が寝ている席に向かう。
席の前でしゃがみ、あたかも地面に落ちている物を拾うフリをした。
周囲を見渡すと、カップルはメニューを見ており、他の客も誰もこっちを見てなかった。

よーし・・・

そのまま僕はテーブルの下に潜り込んだ。


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憑依のいいところは女の子に乗り移って好きなことができるところだけど、悪いところは元の体に戻った時の脱力感と虚しさだ。
だから少しでもその虚しさを軽減しないと・・・

目の前にはだらりと開いた男の足がある。
男の匂いがする。
普段は自分の匂いなんて気にならないが、自分から出る女の子の甘い匂いに慣れてしまうと、男のちょっとシャキッとするような匂いが新鮮だった。
女の子が男の匂いに惹かれる理由も少しわかった気がする。

僕はその奥に手を伸ばし、細い指で青いジーンズのチャックを開けた。
そしてトランクスの窓からブツを引っ張り出す。
他人の体から見る自分のブツは、ラバーが掛かった棒のような、血管が見えていて、まるで股から別の生物が生えているような、そんなグロテスクさを覚えた。

僕はその棒をしごいた。
この制服は手の平の下の部分まで生地が伸びているため、それと相まって気持ちよさそうだった。
自分で自分をしごいているという奇妙な感覚。

制服の腰回りから伸びるレースをつかみ、布巾でコップの口を拭くように丁寧にアソコをなでてみた。
先っぽから透明の汁が出始めた。
もちろん僕の本体はうんともすんとも言わないけれど、だいぶ気持ちよさそうだ。

パイズリもしてみたかったが、テーブルとイスの間の狭いスペースでは無理だった。
くわえてみるか・・・

「んっ・・・」

僕は自分で自分にフェラを始めた。
自分の体が小さくなってるせいか、自分のアソコを口にふくむと、意外に大きく感じた。
視界の隅で前髪が一定のリズムで揺れるのが見える。

はぁはぁ・・・最高だ・・・

こんなかわいいウェイトレスにフェラしてもらってる・・・
僕のアソコがかわいいウェイトレスの歯の裏と舌の間にある・・・
フェラしているんだけど、されているような、衛星同時中継のような、そんな倒錯感を覚えた。

「んぐっ!?」

突然のど元に熱い物が流れ込んできた。
それはどんなドリンクバーの飲み物よりホットだった。
せっかくなので僕は全部飲み込んだ。
気色悪かったが、彼女に自分の物を飲ませていると思うとうれしかった。


僕はテーブルの上に手を伸ばし、おしぼりを取って口の周りの飛沫を拭いた。
もう十分楽しんだし、そろそろこの体を返してあげるか・・・

僕はテーブルの下から出て、テーブルの上にある幽体離脱薬のビンから錠剤を一つ取り、水の入ったコップと一緒に隣のテーブルに移動した。
そして錠剤を水と一緒に飲み込む。
このコップは自分が口を付けたコップなので、ウェイトレスと間接キスしていると思うとうれしかった。

やがて目の前がかすみ、意識が遠くなった。
体がふわりと浮きあがり、目の前にだらりとイスにもたれているウェイトレスの姿が見えた。


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僕はそのままバックして、自分の体に戻った。
股が熱い・・・というかスースーする。
見ると、社会の窓が全開だった。
ついさっきまでかわいいウェイトレスが僕の足元にいたと思うと自分が王様になったような満足を覚えた。


ピンポーン

その時、店内にコールが響き渡った。
さっきのカップルが呼び出しボタンを押したのだろう。
その音でウェイトレスが目を覚ました。

「えっ・・・?」

ウェイトレスはしばらく頭を押さえていたが、やがて辺りをキョロキョロ見渡し、どうして自分がこんなところにいるのかわからない様子だった。
特にあのカップル客のほうを見ている。
一体誰が案内したんだろうと不思議がってるのではないか。

だが、さすがプロだ。
すぐに「ただいまお伺いいたします」と言い、客席に駆け付けた。

「ご注文をどうぞ」

テキパキと機械を出して注文を伺う。
だが、男のほうは目を丸くしてウェイトレスを見ていた。
女のほうも口を手で押さえ、唖然としている。

「あの・・・どうかなさいましたか?」

ウェイトレスは不思議がっている。
だが、カップルの視線の先が自分の股に向けられていることに気付いたようだ。
彼女はゆっくりと自分の股を見下ろした。
そして・・・

「きゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!」

周りが一斉に振り返るぐらいの大きな悲鳴を上げた。
なにせ純白のパンツ丸出しで接客してたんだもんな。
カップルの男のほうは顔は真っ赤だ。

「何事なの!?」

事務所からさっきのお姉さんが飛び出してきた。

「いやあああぁぁぁっっっ!!!」


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ウェイトレスはトレイで顔を隠し、制服の裾を引っ張りながら女子トイレに駆け込んだ。
穴があったら入りたい気持ちとはこういうことだろう。

「高井さん!!一体何があったの!?」

ウェイトレスを追ってお姉さんも女子トイレに駆け込んで行った。
客はみんな何が起こったかわからず困惑している。
ただ一人、犯人の僕だけが落ち着き払っていた。


ふぅ、さすがにここに長居する気は起きないな。
僕はこの混乱に乗じて何も注文せずにそそくさとレストランを出た。

さて、スッキリしたし、がんばって勉強に身を入れるか!
夏休みはやっぱり短い。

また勉強に疲れたら誰かに乗り移ってストレス解消しよっと。
今度はあのお姉さんに乗り移ってウェイトレスたちに理不尽な命令をしてみよっかな。

僕はうーんと背伸びをして予備校に向かった。



(『ウェイトレスへようこそ!!』おわり)


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