《突然の憑依/Sudden Possession(TSF)》




ここは異世界ラヴニカ。
地表のほぼ全域を都市が覆い、空には極楽鳥が飛んでいた。
この世界には、10つのギルドが存在し、互いに小競り合いをしつつも、一定の平和が保たれていた。


ここはそのラヴニカの一角。
白の秩序と赤の力をつかさどるボロス・ギルドの女戦士が一人、巡回をしていた。

辺りにはひどい臭気がたちこめていた。
ここら一帯は建造物の影になっており、真昼でも薄暗かった。
ラヴニカでも貧しい人々が暮らす一帯であった。


ボロスの女戦士が巡回していると、見慣れぬ人影を見つけた。
白と黒の宗教服をまとい、頭は丸められていた。
それは白の敬虔さと黒の邪悪さをつかざどるオルゾフ・ギルドの司祭だった。
オルゾフ・ギルドは表向きは善意の宗教を装っていたが、裏では不正な取引や蓄財で金を蓄えていた。

オルゾフの司祭はブローカーの男と何やら取引をしていた。
それは小さな子供を金で買う、すなわち人身売買の話だった。

「この不届き者め!!」


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ボロスの女戦士は毅然と剣をかざした。






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「チッ、ボロスの雌犬か。見られたからには生きては帰さん」


オルゾフの司祭はそう言うと、服の下に隠し持っていたナイフを取り出し投げつけた。

だが、ボロスの女戦士は素早い動きでそれをかわし、速攻で懐に飛び込んだ。


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「稲妻のらせん斬り!!」

「うぎゃあっっっ!!」

オルゾフの司祭は断末魔と共に爆炎に包まれた。











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「意外にあっけなかったな・・・」












「っ!?」

ボロスの女戦士が一仕事を終え、帰ろうとしたその刹那、突然体が金縛りにあったように動かなくなった。
そして、耳の中に直接ささやく声が聞こえてきた。

「さっきはよくも酷評してくれたな・・・。お前に屈辱を与え、名誉回復させてもらうぞ・・・ククク」

それはさっき倒したはずのオルゾフの司祭の声であった。
しかし、その姿はどこにもなかった。

「うっ!!」

次の瞬間、ボロスの女戦士の体に衝撃が走った。







「なんだこれは!?」


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気がつくと、ボロスの女戦士は自らの肉体から弾き出され、代わりに別の者がその体を動かしていた。


「こ、これは一体・・・」

「わからないのか? お前は死んだんだよ。ククク・・・」

目の前にいる自分の肉体が不敵な笑みを浮かべた。
その笑い方や雰囲気はオルゾフの司祭と同じだった。

「ま、まさかお前が私の体に・・・」

「そうさ。お前の体に憑依したのさ」

「や、やめろ!私の体を返せ!!」

幽体になったボロスの女戦士は自分の肉体に向かい突撃したが、その体はするりとすり抜けてしまった。








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「これから永遠にその姿を堪能することだな。安心しろ、お前の体はわしが有効利用してやる。しばらくこの体に潜み、ボロスの動向をうかがうとしよう。この体なら人身売買もやりやすい。まさかボロスの女が幼女を買うなんて誰も思わんだろうしな・・・ククク」


「う、うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


誰にも聞こえない悲鳴がラヴニカに響いた。








(おしまい)



Illus. Kakou kanou na Free sozai





コメント

No title

10万ヒットおめでとうございます(・3・)ノ
いつも応援しとりますー

No title

>3℃さん
ありがとうございます!!
今年は3℃さんに出会えたことが一番の喜びです!!

前々から気になっていましたが、サイトを開設されて、相互リンクしてもらって、しかもOLのイラストまで描いてもらえて、ほんとうれしかったです!!
僕も3℃さんを熱烈応援しているので、来年も一緒にたくさん憑依しましょう!!
イヒヒ・・・
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